複数の年金を貰える権利があっても一つの年金しか受給できない?

 

次に、この妻が40歳に到達したら、その到達月の翌月から中高齢寡婦加算584,500円が加算される。

※注意

今の中高齢寡婦加算は夫死亡時点で妻は40歳以上である必要がありますが、平成19年3月31日以前の死亡は妻が35歳以上の時の夫死亡であれば40歳から支給となっていた。だから、40歳からは妻の遺族年金は遺族厚生年金641,250円+中高齢寡婦加算584,500円=1,225,750円(月額102,146円)、これをずっと受給していたわけです。

また、この死亡した夫には25年以上(平成29年8月以降は10年以上で可)の国民年金第1号被保険者として国民年金保険料納付期間(申請免除期間でもいい)があり婚姻期間が10年以上あります。だから、遺族年金の受給権が発生した時に同時に寡婦年金の受給権も発生した。この寡婦年金は妻が60歳から65歳になるまでの有期年金。

  • 寡婦年金→779,300円÷480ヶ月×(23ヶ月+284ヶ月÷3)÷4×3=191,036円(月額15,919円)

※注意

このすでに亡くなってる夫の国民年金保険料納付期間が36ヶ月以上あれば寡婦年金ではなく死亡一時金という一時金を貰う選択」ができましたが、この夫には23ヶ月の納付期間しかないから一時金は無し。全額免除期間や、厚生年金期間とか第三号被保険者期間などは死亡一時金の36ヶ月以上の期間の中に算入しない。

ここでそれぞれの年金を整理すると、この妻は遺族厚生年金と寡婦年金と妻自身の老齢厚生年金が貰えることになりますよね。60歳からは遺族年金と寡婦年金の支給がダブりますが、もちろん一つの年金を選択して受給する事になる。明らかに、遺族厚生年金貰ったほうが得だからこちらを引き続き貰う。

じゃあ妻自身の老齢厚生年金が支給される61歳になるとどうなるか。ここももちろん選択で、遺族厚生年金が明らかに金額が有利。そのまま遺族厚生年金を貰い続ける。

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