新米 「調停ってどう言う風に進むんですか?」
所長 「流れのことかい? 調停ごとに、調停委員会というのが、構成されるんだ」
新米 「その委員会は、何人で構成されているんですか?」
所長 「3人だよ。調停員は、男性1人、女性1人。それに裁判官の3人だ」
新米 「え? 裁判官とそんなに近くで仕事するんですか?」
所長 「そうだよ。昨日も今日も、裁判官と事後評議はしたね。他にも、事前評議や中間評議をすることもあるよ。同じテーブルを3人で囲んで話をするから、とても身近に感じることができるね」
新米 「評議って、話し合いのことですか?」
所長 「そうだね。調停の方向性を決定する会議のようなものだね。裁判官は、調停をたくさん抱えているから、原則、調停室にいることはないんだ。だから、調停員から裁判官に調停の内容を伝えることが重要で、それを受けた裁判官からアドバイスをもらうことになる」
E子 「それは、勉強になりますね」
所長 「うん、裁判官の視点や考え方を知ることは、社労士業務はもちろん、いろんな仕事に大いに役立つね。それを得るために調停員になったようなものだからね」
大塚T 「研修も毎月のようにありますね」
所長 「月末のタイミングの研修は、ホントは勘弁してほしいけど、あると助かるよ。調停をする視点での研修が多いからね。知識の習得だけでなく、調停員と相委員、申立人、相手方、それに各々のシャドーと観察人になってのロールプレイ研修もときどきあるんだよ」
新米 「へぇ~、そんな研修もあるんですか」
所長 「そうだよ。相委員など異性役を演じると、日常気づいていない目線になれることもあって、貴重だよ」
大塚T 「男性が女性に、女性が男性役を演じるってことですね」
所長 「そういうことだね、なかなか面白いよ」
E子 「家庭裁判所っていうと、家族や親族間の争い事の調停ですよね」
所長 「うん、主に離婚と遺産分割だね」
新米 「どっちも社労士の直接の仕事とは離れているような…。どうして、家庭裁判所を選んだんですか?」
所長 「たしかに、労務管理とは、直接関わることは少ないと思う。でも、私は労働局で総合労働相談員をしていた経験もあるので、労使間紛争については、他の社労士よりはそれなりに詳しいと思っている。だから、仕事の幅を広げるために民事でなく、家事を選んだんだ」