ZOZOタウンに学べ。衰退市場を救う「大量生産」とは真逆の手法

 

メーカーさんの戦略

あるメーカーさんは、スポーツ用品市場に見切りをつけて、薬局業界や介護業界に進出するのが戦略だそうです。アスレジャー市場やカジュアルシューズ市場に切り込んでいるメーカーさんもあります。いわゆる、新市場開拓戦略です。また、あるメーカーさんは日本市場に見切りをつけて東南アジアの市場開拓をもくろんでいます。これも新市場開拓戦略ですね。

そして、あるメーカーさんは少子高齢化社会を見越して若いスポーツ選手ではなく、「アクティブシニアという客層をターゲットにすることを発表しています。当然、今までとは違った商品の開発が必要ですので新商品開発戦略ということになるでしょう。

これらのメーカーさんの戦略を聞くと、従来のスポーツショップの皆さんは、ちょっと背筋が寒くなりはしないでしょうか。メーカーさんの戦略からは、既存市場に対する戦略がよく見えません。しかも、最後にあげたメーカーさんに至ってはその新しいターゲットは「アクティブシニア」です。もちろん、今後日本の65歳以上の高齢者人口は増え続け、2018年の3,557万人から2030年には3,685万人となり、全人口の32%を占めるようになるという現実はあります。

しかし、健康寿命が延びているとはいえ、アクティブシニアが激しいスポーツができるとは思えません。せいぜい出来るのは、ジムでのトレーニング、軽い水泳、ジョギング、ウオーキング、健康体操といったところでしょう。マスターズ大会などに出場できるアクティブシニアは限られています。ゴルフをすることだって、きつくなってくる年齢です。これらの市場は、スポーツ用品業界がやっきになって開拓をする市場なのでしょうか。それが、スポーツ用品業界の目指す方向なのでしょうか。

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