子どもが子ども社会のなかで不当な扱いを受けたと感じた回数と、その事実を親に訴える回数の比率はどのくらいだと思いますか?今回の無料メルマガ『子どもが育つ“父親術”』では、そんな「告げ口」に関する調査結果をもとに、子どもが親や教師に告げ口をしてきた際の、子どもを傷つけず成長を促すことができる対応を紹介しています。
告げ口
今日は、子どもが告げ口してきた時の対応について。
「おもちゃを貸してくれない」
「仲間に入れてもらえない」
「イヤなことを言われた」
「ぶたれた、ひっぱられた」
などなど、子どもは自分が『不当な扱いを受けた!』と感じた時、大人にそれを言ってくる時があります。そんな時、皆さんはどのように対応していますか?
「ちゃんと丁寧に『かして』って言ってごらん」
「自分でなんとかしなきゃ」
「それくらいのことで文句言ってどうするの」
などと返している方も、いるのでは。場合によっては、子どもの訴えに信憑性がなく感じられて、「ウソは言わないの」と諭したり、人によっては「やられたら、やり返せ!」なんて叱咤激励(?)しているケースもあるかも知れませんね。
さて、ここで質問です。
個人差はありますが、子どもは「不当に扱われたと感じた場面」の全てについて、大人に告げ口してくるわけではありません。では「不当に扱われたと感じた」回数と、そのうち「大人に告げ口する」回数の比率は、どれくらいだと思いますか?
(ちょっと自分で考えてみてください)
ある研究では、以下のような調査結果(平均値)が出ているとのことです。
- 「不当に扱われたと感じた」体験回数:「大人に告げ口する」回数=15:1
つまり、告げ口してきた子どもは、その前に別の場面14回では自分で対処していた(しようとしていた)、ということ。
では、「14回は自力で頑張って、どうしても対応できなくなった15回目に大人に相談してきた子ども」が、
「ちゃんと丁寧に『かして』って言ってごらん」
「自分でなんとかしなきゃ」
「それくらいのことで文句言ってどうするの」
「やられたら、やり返せ!」
と言われたら、子どもはどう感じるでしょうか。
子どもは子どもなりに、すでに
- 自分で言ってみる
- 自分で解決策を探る・試す
- 時には我慢する
- 不満を相手にぶつける
などを頑張ってみて、それでもダメだったから大人に相談している状況です。
「もう1回『かして』って言ってみよう!」とは思いませんし、「うん、自分でなんとかしよう!」と意欲が湧いてくることもありません。「そうだな、これくらいのことで文句言っちゃダメだよな」と考えることも、「よーし、今度はやり返すぞ!」と奮起することも、ないでしょう。
子どもが感じるのは、
「困った時に相談したのに助けてくれない」
「言うだけムダ」
「相談すると逆に叱られるから、何も言わない方が得策」
などの失望感だけ。赤の他人ならともかく、自分の信じるパパ・ママや先生などに対してこういった感覚を持たせてしまっているとしたら、それはとても悲しいことです。