明治ひとり勝ちのヨーグルト市場に異変。いま何が起きているのか

 

日本人の生活にヨーグルトを根付かせた「明治ブルガリアヨーグルト」

さて、日本のヨーグルトの市場で最大シェアを有しているのは、明治ホールディングスで同社の調べでなんと43.5%を占めている。実際にコンビニに行くと、各社のPB(プライベートブランド)以外のNB(ナショナルブランド)では明治の製品がひときわ目立って棚を占拠しており、4割のシェアも納得できる。

スーパーやドラッグストアではコンビニに比べれば商品は多様化しているが、明治の占める売場のスペースは総じて広い。
明治は年商が1兆円を超え、乳業トップの大企業であるが、ヨーグルトにおいてもプレーンで「明治ブルガリアヨーグルト」、機能性で「明治プロビオヨーグルト」と、それぞれの分野でトップシェアを持つ核となる2大ブランドを有している。明治のヨーグルト売上の42.3%が「ブルガリアヨーグルト」、54.6%が「プロビオヨーグルト」となっており、まさに売上を二分している。

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「ブルガリアヨーグルト」は、70年の大阪万博で、明治乳業(当時)の社員がブルガリア館でヨーグルトを試食したところ、従来の日本になかったなめらかで菌が活きている食感に魅せられ、こちらのほうが本物と、再現を目指したことから開発が始まった。

日本にそれまであったヨーグルトは、ゼラチンなどで固めていてゼリーに近い食感だった。

また、ブルガリア政府の認可により、ブルガリアの菌を使用している。この商品の成功により、日本人がブルガリアという国から連想するものがヨーグルトになっているほどだ。

ヨーグルトのスタンダードを変えてしまうほどの革命的な商品「ブルガリアヨーグルト」であるが、当初は酸っぱい、腐っているようだと消費者の評価はさんざんで売れなかった。しかし、海外のヨーグルトの味を知る人からは高い評価を受けており、粘り強い改良と販促で徐々に売上を拡大。81年に牛乳用パックから現在のようなフルオープンのパッケージに変えてブレイクを果たし、トップシェアに君臨するようになった。

現在はドリンクタイプ、フルーツ果肉入りなど、商品のバリエーションが広がっている。96年に特定保健用食品の認可を受けている。

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