現役医師が警告。日本の低所得者と途上国で「肥満」が増える理由

 

子供の肥満と将来の病気

子供の肥満は将来さまざまな病気の根本原因となります。なかでも糖尿病が問題です。糖尿病による死亡者数は、世界ですでにマラリアと結核、さらにエイズをも合わせた三大感染症死亡者数を超えています。糖尿病による心筋梗塞や脳梗塞、腎不全、感染症などで、世界で多くの人々が死んでいます。また、子供の肥満は高血圧やがんのリスクでもあります。

格差の広がる日本でも同様な傾向をみています。最近の厚労省の調査によると、低所得層のほうが肥満者の割合が高い傾向にありました。コンビニ弁当とジャンクフードのみを食べていたある生活保護受給者は、1日になんと5000kcalも摂取していたという大阪のケースもありました。

世界の国々の政府はこの栄養問題に対する介入を行うべきです。野菜や生の果実などの栄養価の高い食品には補助を行って、それらの価格が安くなるように子供たちを助けるのです。逆に加工食品やジャンクフードなどの栄養価の低い食品には課税等で価格を高くするのです。

文献Hemmingsson E. Early childhood obesity risk factors: socioeconomic adversity, family dysfunction, offspring distress, and junk food self-medication. Current obesity reports 7, 204-209, 2018

image by: Africa Studio, shutterstock.com

ドクター徳田安春この著者の記事一覧

世界最新の健康医学情報について、総合診療医師ドクター徳田安春がわかりやすく解説します。生活習慣病を予防するために健康生活スタイルを実行したい方や病気を克服したいという方へおすすめします。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 ドクター徳田安春の最新健康医学 』

【著者】 ドクター徳田安春 【月額】 ¥110/月(税込) 初月無料! 【発行周期】 毎月 第1〜4土曜日(祝祭日・年末年始を除く) 発行予定

print
いま読まれてます

  • 現役医師が警告。日本の低所得者と途上国で「肥満」が増える理由
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け