現役医師が警告。日本の低所得者と途上国で「肥満」が増える理由

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現在、発展途上国での栄養障害とは、飢餓ではなく「肥満」になってきていると警鐘を鳴らすのは、メルマガ『ドクター徳田安春の最新健康医学』の著者で現役医師の徳田先生です。貧困と肥満という一見相反するような現象が起きている理由と、格差が広がる日本においても、同様の見過ごせない事態が起きていることを指摘。各国の政府がすぐにも栄養問題に取り組むべきと訴えています。

貧困と肥満はなぜリンクするのか?

発展途上国での栄養障害と聞くと皆さんは何を想像するでしょうか。おそらく飢餓を考えると思います。骨と皮のみで筋肉のない、細い手足の痩せた子供たちを考えるでしょう。しかし、最新のデータでは、途上国の子供たちの肥満と痩せの割合がほぼ拮抗してきていることがわかります。

ここで、肥満と痩せの定義は世界保健機関のものでみてみますね。ボディー・マス・インデックス(体重を身長の2乗で割った値)の平均値から標準偏差の2倍以上を肥満、2倍以下を痩せとします。

1970年代の途上国では、肥満児をみかけることはほとんどありませんでした。ほぼゼロでした。しかし現在では、その割合は約7%まで増加しています。この同じ時期に、途上国での痩せた子供の割合は、13%から10%に減っています。この傾向が続くと、これらの割合は2022年に逆転します。

痩せから肥満への逆転の要因とは?

同じ国に住んでいるのに痩せと肥満の子供たちの両方の数が多いのは逆説のように聞こえます。しかしこの2つはリンクしているのです。近年、新たな要因が入ってきたからです。それは、栄養価の低い加工食品やジャンクフードの導入です。

栄養価が低い食品とは、同じカロリーに比べて必須栄養素が低い食べ物のことを意味します。お菓子やインスタント食品などです。また、ジャンクフードとは、肉のクズからできた食品を意味しており、発がん物質や動脈硬化症の原因となるものを多く含んでいます。これらの食品は価格が安いのが特徴であり、かつ問題でもあります。途上国に多い貧困層の人々は、経済的な理由でこれらの食品に依存する生活を余儀なくされているのです。

南アフリカ共和国を例に挙げます。1970年代に20%もあった痩せた子供たちの割合は、現在では5%未満となりました。一方で同時期に、肥満児の割合は0%から10%以上になりました。南アフリカ共和国はすでに逆転現象を経験しているのです。同様に中国でも逆転現象を経験しており、中国の肥満児は現在2千8百万人もいます。

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