なぜ、卒業式目前の小学6年生女児2名は飛び降りてしまったのか?

 

ここで、「ネットいじめ」の問題点をいくつかあげておきます。

1.ネットも巻き込んだいじめは精神的な影響力が大きいと思われる事案が多くあります。

学校を休んでいても、SNSは襲ってきますし、ネットは全世界に繋がっていることを意識するようになり、被害感情を拡大させます。大学生であっても、道ですれ違った人を見て「あの人は私を見て笑った。ネットで私のことを知ってるんだ」と思い込んでしまい外に出られないという相談もあるのです。

2.さらに、ここ2年ほどでスマホの普及率が急速に上がっています

中学の先生たちに保有率を訊ねると、「スマホ、100パーセントですよ」という答えが返ってきます。ある小学校の3年、4年生に講演した時にどのくらいの子がスマホを持っているか手をあげてもらったところ3割の子がスマホを所有していました。加えて、ネットにつないでゲームをしたり会話したりできる子にも手をあげてもらいましたが、ほとんどの子の手が上がるという状況でした。親のスマホやタブレット、さらにはゲーム機を使ってネットにアクセスできているのです。小学3年の子がネットで悪口を言われたというような相談も来ています。低学年と言えども安心できないというのが今の状況です。

3.このような環境の中にいる子供たちですが、親や教師に相談しないという問題もあります。

「ネットいじめ」から守るためには、ネットの怖さ危険性を教え自分の身は自分で守るということを教えることが必要だと思います。

また、親としては、子供たちの日頃の変化に意識しておくことが大切になります。特にネットに関しては、いつもなら常に手放さないスマホを見なくなったり、メッセージが届いてもあけないなどの変化が起きたら、声をかけてあげて欲しいのです。

また、いじめの相談を受けている中には、夜遅く、午前1時2時までスマホでSNSのやりとりをするケースがあります。ほぼネット中毒と同じ症状です。同じようにいじめで苦しんでいたり、悩みを抱えている子をネットで見つけてお互いに慰め合い、昼夜逆転の生活になっていく子が数多く存在します。夜中にスマホにかじりついていたら危険な兆候だと言えます。

様々に述べてまいりましたが、子供たちを守るのは大人の責任であり役割です。いじめ問題には親も含めて、お節介だと子供に言われたとしても大人が関与しなくては解決できないということを周囲の方にもお伝え下さい。

子供たちのことで不安に感じたり、お困りのことがありましたらご遠慮無くご相談いただければ幸いです。

一般財団法人 いじめから子供を守ろうネットワーク
代表 井澤一明

image by: Shutterstock.com

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