現役アナが解説。5G化で「見せながら話す」能力が必要になる理由

 

前置きが長くなりました。では、設問に取り組んでみましょう。設定自由で、自社の新製品を、社内向けに発表する役。まずは、話す枠を時間で認識すべし、でしたね。

自分に与えられている時間枠を察知するとすれば、だいたい5分程度ですかね。この枠内で、かっちりした説明をあらかた済ませて、足らないところがあれば、後から質疑応答の時間などで補足していけばよいでしょう。

人が集中して話を聞ける時間は限られています。端的でありながら、過不足ない説明を目指すなら5分ぐらいだと思います。例えばそれは、YouTubeなどの動画を視聴していても、5分以上のものになると、倍速にしたりしませんか?一方的に見せるものなら、5分程度、それ以上長い話になる部分は、「聞き手も参加できる環境」での話し合いにしたほうがよいでしょうね。

次に、この5分という枠を、どういう構成に割り振るか。「横着ファイリング話法」でいう、空フォルダー作りですが、この手の発表には、お約束の型みたいなものがありますから、それを利用してしまいましょう。

それは、ポイントを3点にまとめる型です。導入の言葉で簡単に表すと、

  • この新製品をひと言で表現するなら「〇〇」

という前振りをした後に、

  1. まずなんといっても最大の特徴は…(従来との違い)
  2. さらに…
  3. そして、とどめは…

というポイント3点を、お好みの順番で並べる説明です。

ひとことまとめの「〇〇」を先に振っておいて、後の3ポイント説明で、その「〇〇」の意味が分かってくる。ここには、「謎解き形式で、聞き手の関心を離さない技術」が含まれています。

3ポイントの説明を受けて初めて、なるほど~それで「〇〇」なんだ!と、前振りの意味を理解してもらえるわけですね。説明全体における主要部分ですから、このパート全体で3分ぐらいかけてもいいでしょう。

そして、

  • この商品の社会的意義
  • この発表を見ている人は、この商品にどう関わるべきか

最後に、

  • 自分の気持ち、情熱

で締めることにしましょう。

社会的意義というのは、この商品が世に出たときに、人々にどういう印象を与え、どう受け入れられ、どんな役に立てるか、です。

この商品をこれから製造販売していく私たちは、それぞれの立場でこの商品をどう認識していくか、そしてそれが結果的に、社会において、こういうポジションを獲得していくであろう、そういう、新製品発売時における理想のイメージを共有するためのパートになります。

最後に発表者自身の気持ちを入れるのは、改まった席では難しいかもしれませんが、もしある程度、自由な雰囲気があるのであれば、ぜひとも話に組み入れたい要素です。

こういう情感のこもった言葉が入ることで、その話が、他の誰でもない、その話し手だけができる唯一無二の話になり、人の心を動かすのですね。この最後のパートで、1分ぐらい必要でしょう。

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