いろいろな「雨」がある日本語、様々な「考える」がある英語の話

 

(3)アメリカ人が新しいビジョンを描ける理由

古くは、ギリシャやローマの哲学者の頃から、欧米文化圏では、「考える」ことは重視されてきた。「人間は考える葦である」という有名なフレーズもある。 これは、パスカルの定理やパスカルの三角形などで知られるフランスの哲学者、思想家、数学者、自然哲学者であるブレーズ・パスカル(Blaise Pascal)が17世紀に随想録『パンセ』に書き残した一節だ。

現在、アメリカには、あらゆるジャンルの学問の世界を代表する研究機関や専門家が集まっている。また、故スティーブ・ジョブズさんやビル・ゲイツさん、現在、元ニューヨーク市長だったマイケル・ブルームバーグさんのような天才的な起業家も続々と登場してくる。 規模の大小は別にしても、アメリカ人は、これまでになかった新しいビジョンを描くことが得意な気がする。日本も含め、中国や韓国では、より良いものを国外から取り入れるのは得意だが、なかなか国内で新しいビジョンを具現化したものを生み出せない。

それに対して、欧米、特にアメリカでは、様々な場面でこれまでなかった新しい何かが登場し、その価値や魅力を多くの人々から支持されると一気に広まる傾向があるような気がする。 これまでなんとなく、このアメリカならではの特徴は、フロンティア精神などに象徴される文化的な背景に基づくものかと思ってきたけど、実は、ひょっとすると、「考える」ことを重視する英語という言葉の特徴による影響なのかもしれない。

これだけ「考える」ことに関する言葉が豊富で、「考える」という動作の度合いや程度、その背景などの細かいニュアンスの違いを表現できるように言葉が発展してきた結果、これまでになかった新しいビジョンがポーンと提示されたとき、有識者層はもちろんのこと、一般人の方々も、その意義や意味合いについて極めて深く正確に考えることができたりするのではないだろうか?

その結果、見たことも聞いたこともない、新しくて珍しいアイデアが出てきても、他の言語(例えば、「考える」関連の言葉が少ない日本語)を使っている他国の人々と比べると、思考停止状態になりにくいとか?もちろん、これはあくまで1つの仮説。

でもしかし、よーく考えてみると、日本国内でも、近年、何かしら新しいアイデアやビジョンをボンボン生み出して、実現していく人々ってのは、なぜかたいていみんな海外留学経験があったり、ある程度の英語力のある方々だったりする。例えば、ソフトバンクの孫正義さんとか、楽天の三木谷浩史さんとかね。

その一方、日本国内で生まれ育ち、海外留学経験や英語力がさほどない方々は、新しいアイデアやビジョンを描いたりすることよりも、既存のアイデアやビジョンをさらに優れたものに改善、改良することで知られていたりする傾向があるだろう。大半の日本の企業経営者やリーダーが、こちらに当てはまる。
つまり、英語をちゃんと勉強すると、英語が上達するだけでなく、新しいアイデアやビジョンを描けたり、理解する能力を持つ、ビジョナリーな人物になれるかもしれないってことかも?

image by: Shutterstock.com

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ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。

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