なぜこの女性は年金受給資格があるのに年金が1円も貰えないのか

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老齢の年金は年金保険料納付済期間と免除期間、そしてカラ期間をあわせた期間が10年以上あれば受給資格期間を満たします。しかし、受給の権利は得たものの肝心の年金額が0円という場合もあることをご存知でしょうか。今回の無料メルマガ『年金アドバイザーが教える!楽しく学ぶ公的年金講座』では著者のhirokiさんが、どういう条件でそのような事態となってしまうのかについて詳しく解説しています。

年金貰う権利はあるのに支給される年金は0円という場合

毎回言ってはいますが老齢の年金は、年金保険料納付済み期間+免除期間とあとカラ期間というこの3つの期間を合わせた期間が10年以上(平成29年7月31日までは25年以上)あると老齢の年金を貰う年金受給資格期間を満たします。その後、それぞれの生年月日に応じた支給開始年齢が到達したら年金の支給が始まります。

昭和36年4月2日以降生まれの男性、昭和41年4月2日以降生まれの女性はすべて65歳以降の年金支払いとなります。ただし、請求により65歳前から貰う年金の繰り上げ請求は60歳以降になればいつでも可能。

さて、10年以上(平成29年7月31日までは25年以上)の期間を満たすと、将来は年金が貰えるという事にはなりますが、期間を満たして年金貰う権利は発生したものの年金額は0円という事もあります。年金の受給資格期間を満たす事と、年金額はまた別ものであります。一体どういう事なのかを見ていきましょう。

1.昭和18年7月23日生まれの女性(今は76歳)

何年生まれ→何歳かを瞬時に判断する方法!(参考記事)

中学を卒業した月の翌月である昭和34年4月から昭和43年6月までの111ヶ月間は厚生年金に加入する。6月末をもって退職し、7月からは公務員の専業主婦となる。

中学卒業後に111ヶ月間厚生年金に加入したが、この当時は厚生年金は原則として20年以上ないと貰えない制度だったため、退職した後に20年以上満たせてないと今まで支払った保険料を返す仕組みとして脱退手当金という制度があった。この女性は将来年金を貰うつもりはなく、111ヵ月分は脱退手当金として貰った。

脱退手当金制度は昭和61年4月から廃止されておりますが、昭和16年4月1日以前生まれの人で年金が貰えない人など限定的に請求は可能な場合はある。

なお、女子の場合は昭和29年5月から昭和53年5月までの期間については、この期間に2年以上の加入期間があると生年月日に関係なく脱退手当金が請求できる特例がある。女子は昔はほとんどの人が厚生年金期間を満たせる人がいなかったから手当金を貰いやすくしていた(昭和の時代は退職して専業主婦になった後に再就職なんて考えられなかった時代だったから)。


参考

今まで昭和36年4月に国民年金が始まってからは加入した月分の厚生年金や共済年金くらいは出す仕組みとなった。これを通算年金制度という。

例えば国民年金15年、厚生年金6年、共済4年ならすべて合わせて25年になって25年以上という条件を満たしてそれぞれの制度から加入した月分くらいの年金を出す仕組み。

通算年金というが、昭和61年4月から国民すべてがどんな職業であれ国民年金に加入する事になったから、わざわざ通算する必要はなくなって廃止された。


昭和43年7月から公務員の専業主婦となる事で、国民年金には強制加入する必要はなくなった。まあ、加入したければ任意で加入する事はできたが加入しなかった。

昭和60年12月までの210ヶ月間は任意加入せず。昭和61年1月に離婚して、国民年金に強制加入となるが平成6年2月までの98ヵ月は未納

平成6年3月から平成14年10月までの104ヶ月間はマレーシアに在住。日本国籍の人が海外在住の間は国民年金に任意加入できるが、加入しなかった。平成14年11月に帰国して、60歳前月の平成15年6月までの8ヵ月は未納にした。

なお、この女性が65歳になる前に再婚した6歳年下の夫(昭和24年8月12日生まれで、厚生年金期間20年以上あり)がいるものとします。

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