豪州で不審死の中国人が、習近平政権から受けていた謎の「密命」

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元中国スパイの暴露がメディアを騒がせている豪州で、さらに衝撃的な事件が発生していたことが明らかになりました。今回の無料メルマガ『日本の情報・戦略を考えるアメリカ通信』では情報戦略アナリストの山岡鉄秀さんが、中国当局が豪議会にスパイを送り込もうと画策していたという「事実」を紹介するとともに、世界中で中国への懸念が高まる中、未だ習近平政権との関係強化を目指す日本政府に対して警告を発しています。

メルボルンのモーテルで発見された中国人の遺体が物語ること

全世界のアメ通読者の皆様、山岡鉄秀です。

現在、オーストラリアでは中国人スパイの政治亡命申請が大きな話題となると共に、改めて中国に対する警戒心が高まっています。中国は即座に否定していますが、中国があらゆる分野で浸透工作を行っている事実を裏付ける証拠はたくさんあります。

クライブ・ハミルトン教授による中国による浸透工作の実態を暴いた著書『サイレントインベージョン』がベストセラーとなり、アメリカが明確な対中対決姿勢を打ち出した文脈で発生した今回の中国人スパイ亡命事件はドキュメンタリーでも放映され、大変な衝撃をもたらしました。

豪メディアは11月23日、香港、台湾、オーストラリアでスパイ工作活動を行ってきたとする王力強(Wang Liqiang)がオーストラリアへの政治亡命を申請したことを伝えました。

王氏はまだ27歳と若いのですが、彼が人気報道番組「60ミニッツ」で証言した内容は、香港で彼の上司だった人民解放軍情報将校の実名を含めて、実に生々しく、信憑性を感じさせるものでした。

たとえば香港では、全ての大学に工作員を送り込み、味方のふりをして、香港民主化、独立支持派のグループに潜り込ませる。そして、リーダーやメンバー、およびその家族の個人情報を取得し、公に晒すことで恐怖を与えて黙らせる。

彼や彼のボスのようなスパイ(工作員)は、普段は上場企業の社員という表の顔を持ちながら、対抗勢力の監視と浸透工作、メディアの取り込み工作を行い、それに必要な資金を企業から支出させる。

また、王氏は、台湾で独立派を落選させる工作や、香港で本屋の店主が拉致された事件に直接関与していたと証言しました。

一方、中国・上海の警察当局は即座に、「王氏は詐欺容疑で捜査されていた逃亡犯で、2016年には詐欺罪で懲役1年3か月の執行猶予付き有罪判決が確定していたが、今年2月にはさらなる架空の投資話で大金を騙し取り、警察が捜査を開始する直前に香港に逃亡した」と発表しました。

これに対して、オーストラリア国内では、ジャーナリストも政治家も「性急に結論には飛びつかず、慎重な審査を行う」という論調が主流となっています。

しかし、時を同じくして、驚くべきニュースが飛び込んできました。日本では読売新聞が報じましたが、中国の情報機関が、オーストラリアで今年5月に行われた国会議員選挙に、ある中国系オーストラリア人男性を立候補させようとアプローチしていたというのです。

この男性はオーストラリアに帰化している32歳で、高級車販売ビジネスを営み、与党・自由党員でした。中国の情報機関はこの男性に、100万豪ドル7,500万円を供与する見返りに、中華系住民が多いメルボルン東部の選挙区から立候補するように説得していたそうです。もちろん、目的はこの男性を中国政府の傀儡としてオーストラリアの国会に送り込むことです。

なぜそんなことがわかっているかというと、その男性はその経緯をオーストラリア当局に通報していたからです。

そして、その男性は選挙前の3月に、メルボルンのモーテルで遺体で発見されたのでした。

このことが報じられるわずか3日前、元ASIOのトップ、ダンカン・ルイス氏は、地元紙のインタビューの中で、「中国がオーストラリアの政治を乗っ取ろうとしている」と警告は発したばかりでした。

ASIOはこれまでも繰り返し、「外国政府による浸透工作が前例のない規模で行われている」と警告を発し続けて来ました。もはや、疑う余地はありません。これはもちろん、日本を含めた多くの国で実施されています。

翻って、日本政府は習近平国家主席を来春、国賓として迎えると発表し、政府高官は日中関係は完全に正常化し、良くなっていると言って憚りません。その一方で、中国共産党は国内で習金平主席の中日友好政策が大成功していることをトップニュースとして伝えています。

これは何を意味しているでしょうか?

中国共産党による対日工作、とりわけ、政界工作は既に大成功を収めているということに他なりません。

習近平国賓来日を阻止できなければ、日本は再度国家存亡の危機を迎えることになるでしょう。

(山岡鉄秀 :Twitter:https://twitter.com/jcn92977110

image by: Claudine Van Massenhove / Shutterstock.com

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