会議室だけで終わらせるな。現場で使える実用的「企業理念」とは

 

3.理念を全社員スタッフがアルバイトに説明できるようにする!

何度も言いますが、僕は、理念クレドは使ってはじめて価値があるもの」だと考えています。だから、きれいな方針書に理念をまとめたり、きれいなクレドカードを作るよりも、極端に言えば、A4、1枚の紙にまとめただけでもいいと思っています。

それよりも、「理念を使えるようにする」ことが大切で、その一つとして、ご支援先の勉強会でやっているのは、社員スタッフ全員が「アルバイトにも分かるように説明できる状態にする」ようにしています。アルバイトが聞いても分かる状態にするためには、言葉の一言一句の意味を理解し、難しい言葉で説明するのではなく、より分かりやすい言葉で説明できるようなること重要になってきます。

グループミーティングを行うことで、理念・クレドの文章、ことばを掘り下げてもらい、各自で理念・クレドの掘り下げを行ってもらいます。その上で、社長さんから、何度も何度も理念・クレドの内容の深いところ、なぜ、そういう表現にしたのかなどを語ってもらい、理解を深めてもらいます。その上で、全員が「アルバイトに説明できる」ように、個別でテストしたり、全員の前で発表してもらったりしています。

人に説明できる状態になると、それだけ理解が進みますし、また、アルバイトにも理念をもとに浸透してもらう必要があり、全社員が説明できる状態になると、アルバイトへの理念浸透も進むわけです。

4.理念に基づいた行動の事例集をつくる!

「理念に基づいた行動」と言っても、理念をただ暗記して理解している状態だけでも、それは難しいようです。なぜなら、日々の行動で具体的に何をしていいか分からないからです。

そこで、ご支援先で行っているのは、「自社らしい行動」をまとめた事例集を作ってもらっています。「こんなときどうすることが、うちっぽい?」みたいな事例集で、満席時のお客様の来店時の対応、お客様からタバコがあるかどうか尋ねられた時の対応、ラストオーダー時の対応、雨の日の対応、などなど、様々なシーンの「うちらしい」対応を事例集としてまとめます。

ただ、「どう対応したらいいのか」の答えは書かないように指導しています。なぜなら、その対応だけを覚えてしまうと、スタッフがその対応を作業的にこなすスタッフがでてくるからです。ですから、事例集は、ミーティング時に活用し、「こんなとき、どう対応したらいいだろう?」というように、皆で話し合う事こそが大切だと皆さんに伝えています。

この4つが、「理念浸透」するために、日々、僕がご支援先で行っている(やってもらている)ことです。

理念浸透は一朝一夕でできるものではありません。毎日暗唱したり、定期的に勉強会で共有したりすることが大切であり、理念に沿った行動ができるような仕組みつくり(事例集の作成、評価表、アワードなどなど)も欠かせません。

ただ、理念が浸透すれば、本当に皆が同じ価値観で働けるようになり、そうすると、きっといつの間にか、以前と比べて「お客様満足度」が向上しその結果売上が上がるという結果につながりやすくなります。

この4つの投稿を参考にして、日々「理念浸透」を進めていただければ幸いです。

image by: Shutterstock.com

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