元国税が暴露。定年退職者の多くが「税金を払い過ぎている」現実

 

定年退職者の多くが税金払い過ぎになっているのに何も広報しない

国税や税務署がいかに税金を取ることばかり考えているのか、わかりやすい例を一つご紹介しましょう。実は、退職したサラリーマンの多くは、税金が過払いになっています。しかし、このことを国税は進んで広報しようとは絶対にしないのです。国民にとっては、かなり重要な情報であるにもかかわらず、です。

なぜ退職したサラリーマンが税金の納め過ぎになっているのか、その仕組みは次の通りです。退職した人は、退職した時点で会社の関与は終わってしまいます。でも、税金(所得税)というのは、年間を通しての所得に対してかかってくるものです。年の途中で仕事をやめたということは、年末調整が行われておらず、税金の計算はきちんとされていないということなのです。そして毎月の源泉徴収というのは、年間を通して計算した税金よりも若干多めに取られています。つまり、サラリーマンの源泉徴収というのは、だいたい納め過ぎの状態になっているのです。普通のサラリーマンであれば、その納め過ぎの税金は、年末調整で還ってきます。しかし、年の途中で退職した人は、年末調整を受けていないので、納め過ぎのままになっているのです。

退職した人でも、すぐに再就職をすれば、次の会社が年末調整をしてくれて納め過ぎの状態が解消されることもあります。でも、退職してすぐに再就職していない人や、再就職先の会社の経理があまり丁寧ではない場合は、納め過ぎのままになっているのです。

このことは、あまり知られていないので、かなり多くの人が税金を納めすぎになっているはずです。

国民とって、非常に違和感があることですが、税金を納め過ぎている場合、請求しなければ絶対に戻ってこないのです。公共料金とか、民間のサービス関係ならば、お金を払い過ぎていたら、必ず戻してくれます。戻してくれなかったら「不当だ」として大変なことになるはずです。

でも、税金の場合は、そうではありません。納め過ぎの場合(税務署が誤って取り過ぎた場合を除いて)、自分が言わなければ返してくれないのです。サラリーマンの源泉徴収などというのは、国が強制的に調整しているものです。そしてサラリーマンには何の落ち度もないのに、取りすぎになっていても還付されないのです。

もし税金を納めていなかったり、納めた金額が足りなかったりすれば、税務署は督促をします。しかし、納めすぎた税金を税務署の方から自動的に返すなんてことは絶対にないのです。国税庁は、税金を徴収することばかりを考え、「適正な納税」を考えていないのです。税務行政でもっとも大事なことは、「適正な納税」のはずです。そして、「適正な納税」とは、多すぎても少なすぎても、いけないはずです。税務行政の基本中の基本を国税庁は怠っているのです。(メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』より一部抜粋)

image by: Shutterstock.com

※本記事は有料メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』2020年1月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

初月無料購読ですぐ読める! 12月配信済みバックナンバー

※2020年1月中に初月無料の定期購読手続きを完了すると、1月分のメルマガがすべてすぐに届きます。

  • 【新年特別号】税務署員は皆やっている!「扶養控除」で税金を裏技的に安くする方法(2020/1/1)
  • 「消費税の不正還付」「税務署員は市民の無知につけこむ」(2020/1/1)

こちらも必読! 月単位で購入できるバックナンバー

初月無料の定期購読手続きを完了後各月バックナンバーをお求めください。

2019年12月分

  • 「情報商材の脱税」「税務署は平気で納税者を騙す」(2019/12/16)
  • 「富裕層の課税漏れ」「かんぽよりひどい!税務署員のノルマ」(2019/12/1)

2019年11月分

  • 「台風などの被害で税金が戻ってくる」「安倍首相の地元で公共事業が激増!」(2019/11/16)
  • 「徳井氏はきちんと申告したほうが税金は安かった!?」「食べ歩きを経費で落とす方法」(2019/11/1)

2019年10月分

  • 「研究開発費は最強の節税アイテム」「消費税が上がるとサラリーマンの給料が減る理由」(2019/10/16)
  • 「福利厚生費はどこまで認められるのか?」「信長の大減税」(2019/10/1)

2019年9月分

  • 「なぜ企業の内部留保金が増えると不景気になるのか?」「給料の代わりに車を買い与える」(2019/9/16)
  • 「会社に旅行費用を出してもらう方法」「年金を喰い物にする官僚たち」(2019/9/1)

※1ヶ月分330円(税込)で購入できます。

大村大次郎この著者の記事一覧

元国税調査官で著書60冊以上の大村大次郎が、ギリギリまで節税する方法を伝授する有料メルマガ。自営業、経営者にオススメ。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 大村大次郎の本音で役に立つ税金情報 』

【著者】 大村大次郎 【月額】 初月無料!¥330(税込)/月 【発行周期】 毎月 1日・16日 発行予定

print
いま読まれてます

  • 元国税が暴露。定年退職者の多くが「税金を払い過ぎている」現実
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け