感染者も死亡者も桁違い。何が日本の新型コロナ被害を抑えたのか

 

バイデンの副大統領候補、下馬評リストをチェックする」

突如全米で沸き起こった「人種差別反対デモ」の輪は、民主党の統一候補であるジョー・バイデン氏を揺さぶっています。短期的には、非常に攻勢に出ていると言って良いと思います。バイデン氏は、長い間、コロナ危機への対応として自宅のベースメント(地下室)におけるリモート演説を主体としていたのですが、殺害されたフロイド氏の葬儀がテキサス州ヒューストンで行われると、現地へ飛んでフロイド氏の遺族を弔問、葬儀にも参列して存在感を示しています。

そんなわけで、バイデン氏としては、どうやら、この事件を契機に一気にリアルな世界での選挙運動を再開する構えのようで、タイミング的にもそれでいいと思います。一方で、6月6日には、そのバイデン氏は、予備選における獲得代議員数がマジックナンバーの1991を超えたことで、正式に民主党の統一大統領候補としての地位が確定したのも事実です。

そのバイデン氏ですが、同時に大きな岐路に立たされているのも事実だと思います。問題は副大統領候補を誰にするかです。

まず、77歳と高齢のバイデン氏にとっては、「万が一」の際には大統領職に耐えうるだけの人物を副大統領候補に指名する必要があります。これはもう絶対条件とでも言うべきものです。また、万が一、8月の党大会までに状況の変化があれば、一旦副大統領候補に指名した人物に大統領候補の座を譲るということも可能性としてはゼロではありません。例えばコロナ第二波が深刻化した場合には、やはり若い世代のリーダー、少なくともトランプより若い60代以下の人物でないと話にならないからです。

それはともかく、バイデン氏は、TV討論の席上で「副大統領候補は女性」にすると明言しています。公式にそうした確認がされているかどうかはハッキリしないのですが、明らかに言質を取られたのは事実で、その後3ヶ月以上訂正していないので、こうこれも条件として固まっていると思います。

では、誰にするか…これは大きな問題です。そこで、今回は下馬評に上がっている候補について着眼点を確認していこうと思います。

1.エイミー・クロブチャー上院議員

恐らくは大本命だったのだと思います。ミネソタという左右に揺れるスイング州で、保守票を抑えて勝ってきた上院議員、しかも大統領候補としてTV討論でも善戦、更には穏健中道派で、中西部の中道票を取るのには絶好の立ち位置ということで玄人筋の評価も高かったのです。

ですが、そんな中で、今回のフロイド氏の事件が発生してしまいました。まず、この事件が、ミネソタ州で発生したことで、彼女の立場は苦しくなりました。とにかく、ミネソタの白人というだけで、地元はともかく、全国的には「差別している側」というイメージを持たれてしまうのは仕方がありません。

それどころか、かつて同州の郡検事であった時期に、今回の主犯格の警官が過去に起こした暴力事件を彼女自身が不起訴にしているという「爆弾材料」も抱えているのです。となると、ミネソタ州警察の問題について責任の一端を担っていると言われてもおかしくありません。彼女の「目」は限りなく消えたと考えられます。

2.グレッチェン・ホイットマー知事

ミシガン州の知事です。この人もクロブチャー氏と同じく、スイングする中西部の中で、保守票を抑えて勝ってきているわけで、バイデンと選挙戦の戦術的には補完関係にあります。また、ミシガンというのは、2016年も、そして20年も勝敗を決する天王山ですから、そこで民主党の知事を張っている彼女への期待感はあるわけです。

問題は、それゆえにトランプ派の絶好のターゲットになってしまっていることです。特に4月中旬に起きたデトロイトでの「アンチ・ロックダウン」デモ、では、徹底的に挑発され、その挑発を受けてデモへの規制を行う中で、すっかり保守派からは「悪人」のレッテルを貼られてしまっています。可哀想ではあるのですが、もう少し巧妙な立ち回りはできなかったのかということは言えると思います。彼女の可能性も、ちょっと疑問があります。

3.エリザベス・ウォーレン上院議員

ということで、仮に中西部の白人票を狙い、スイング州での勝利を確実にという作戦で行く場合の、白人女性のコマとしては、この人になるのかもしれません。問題は、左なのか中道なのかが不明確な立ち位置ですが、そこに目をつぶれば、一対一に持ち込んだ際の弁舌バトルでは火のような温度感で、瞬時に鋭い攻撃ができる技は魅力的です。ミレニアル世代など若者への受けも良いし、今回、人種問題が争点として続く中での白人女性候補としては、この人の存在は計算しておいたほうが良さそうです。

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