賭け事にあらず。人生が豊かになる「確率」との正しい付き合い方

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仕事においても日々の暮らしの中でも、私たちはさまざまな場面でなんらかの選択をしながら生きています。すべて気まぐれや直感で選択するという無頼な感じもいいものですが、「確率」+「感情」で結論を導いた方が人生が豊かになる確率も上がると説くのは、メルマガ『深沢真太郎の「稼ぐ力がつく! 数学的思考の授業」』著者の深沢真太郎さん。コロナ禍の中での生活では、意識せずとも「確率思考」を用いて行動する場面が多かったはずと、問いかけています。

感染症は世界中に確率思考を教えた

そもそも確率とはなんでしょう?学生時代、私たちはサイコロやコインを使って確率の問題を解きました。「サイコロを2個振って、出た目の積が奇数になる確率は?」。そんな問題を解いて正解を導いたところで、だから何なのだと思った人もいるでしょう。そしてそれは、当然の疑問です。なぜ私たちは確率を勉強したのか(するのか)。そしてそれはどう人生に活用するのか。ビジネス数学の観点で学ぶことにしましょう。

確率は「ギャンブルの数学」と呼ばれました。いかにして賭け事をうまく制するかを科学した結果です。カジュアルな表現をすれば、「どうすることが自分にとって得か」、「合理的にはどうすることが最適か」。そんな問いに答えを出すための数学です。

で、申し上げたいのは、「どうすることが自分にとって得か」、「合理的にはどうすることが最適か」。そんな問いは私たちの日常に、半径1メートル以内に、存在するということです。

天気予報の降水確率を見て、傘を持っていくかどうか悩む。2人の異性から告白されて、どちらと交際するか悩む。新規事業の候補Aと候補B、どちらを選択するか悩む。思い切って起業するべきかどうか、悩む。私たちはそんな悩みと常に付き合いながら生きています。「確率」との付き合い方を正しく知っているほうが人生が豊かになる可能性は高い。そう思いませんか。

さて、今日のワンメッセージは「数字→感情→答え」です。起業するべきかどうか、というテーマを例にします。仮に起業して5年後に成功している確率が3%という数字があったとします(あくまで仮です)。

この数字を見たとき、97%も失敗するならやめておこうと考えるか、3%も成功者がいるならチャレンジしようと思うか、それはその人の感情が決めます。3%という数字は誰が見ても3%です。しかし3%という数字の意味はそれぞれの人が感情(主観)で決めます。これはあらゆるケースで同じです。

新規事業の候補Aと候補B、どちらを選択するか悩むケースを考えましょう。理解を目的にするので少し現実離れしたモデルであることをご了承ください。

  • Aはうまくいけば1億円の利益、失敗すれば0.5億円の利益、どうなるかは五分五分
  • Bはうまくいけば2億円の利益、失敗すれば0.5億円の利益、うまくいく確率は20%

このモデルの成功と失敗は二者択一の関係ではありません。「Aは1億円か0.5億円かのどちらか」ではなく、0.9億円になるかもしれないし0.6億円になるかもしれない。だからどちらも失敗すれば0.5億円で同じなのだから成功した時の利益が倍のBを選ぶべき、という思考は少し現実的ではないように思います。

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