なぜベガルタ仙台は破産危機に陥ったか? J1に居続けたことが裏目に

 

相対的な地位は低くなってしまう

残り試合では若手をたくさん起用して1つでも多くの収穫を手にしたいが「経営的に苦しいことが明らかになったクラブ」はオフの移籍市場で草刈り場になる可能性は高い。今オフは鳥栖も厳しいオフになると思うがたくさんのクラブがハイエナのように所属選手に群がってくる可能性は高い。来シーズンもJ1で戦うことは確定しているが「J2降格の有力候補の1つという立ち位置のクラブでプレーしたい」という選手は普通に考えると少ない。「激動のオフになる可能性は極めて高い」と言わざる得ない状況になっている。

経営陣を批判する声は少なくないがクラブ規模がJ1再昇格を果たした2010年と比較してあまり変わっていないのは大きな問題である。よく知られているとおり、DAZN効果もあってJリーグは急成長しており、神戸あたりは異次元の収益を得るようになったが仙台の成長度合いは極めて緩やかである。ずっとJ1に定着しており、流れに乗って右肩上がりで成長を続けることは決して難しいことではなかったと思うがあまり変わらない。周りのクラブがこれだけ成長しているので当然のことながら相対的な地位は低くなってしまう。

「J1でも最低クラスの資金力でありながらずっとJ1残留を果たしている」と評価することもできるがサポーターは慣れてくるので、しばらくの間、J2降格を経験していないクラブのサポーターはJ1残留だけでは満足できなくなる。広島であったり、柏であったり、C大阪であったり、湘南であったり、定期的にJ2に落ちているクラブのサポーターは「J2の大変さ」を理解しているので『とりあえずとしてJ2に落ちなかったこと』を評価するサポーターも出てくるが、仙台が最後にJ2に降格したのは2003年の話である。かなり昔の話になる。

「J1に居続けたこと」が逆に状況を難しくしている気もするがJ2に降格してなかなか再昇格できない千葉や京都や東京Vなどの現状を考えると「J1に居続けたこと」で失わずに済んだもの多かったはずである。仙台という地方都市の中では規模の大きい街で活動しているクラブなので「そのアドバンテージをうまくいかせていない点」は残念に思うが、クラブとしての分岐点を迎えている。クラブとして極めて難しい状況になっているが選手や監督やコーチが出来るのは「目の前の試合で全力を尽くして勝利を目指すことのみ」である。

image by: WAKA77 / Public domain

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