「1on1のない会社は成長しない」上司が部下と現場を理解する実践テクニック

 

1on1の基本は「9割傾聴」にあり

では、1on1を具体的に、どのように行えばよいのでしょう。

読者の皆様の中には、会社で1on1のフォーマットが決まっているという方もいらっしゃるでしょう。そこで、1on1をスムーズに進めるための工夫をお伝えしたいと思います。まず、1on1の概要を5段階に分けてご説明しましょう。その後、1on1をスムーズに行うための準備についてお話しします。

1on1のSTEP1:雑談で部下を知る

1on1の意義は、「部下を知ること」にあります。1on1の時間はすべて、部下のために費やすべきです。

まず、「時間の9割は部下の話に傾聴する」を心がけましょう。

初めて1on1を行う場合、部下は「叱られるのでは?」などと緊張しています。

そこで、掴みは必ず「雑談」から入るようにしましょう。場が一気に和み、自分の印象も良くなります。

例えば、週末はどう過ごしているの?と聞くと、「映画にハマってます」などの答えが返ってきます。それなら「映画」というテーマで自分が話せる共通の話題を探す。そうすると自然に場は盛り上がります。また、家族のこと、休暇の過ごし方などについて聞くとよいでしょう。例えば、夏休みはいつ頃取るの?何をするの?などと聞きます。

ここで大切なのは、部下が「上司が自分に興味を持ってくれている」と思わせることです。

また、趣味を探ることも大切です。深い共通の話題があったほうが、コミュニケーションに「笑い」が増えます。

笑いは、仕事の話ではなく、プライベートの会話を共有することで生まれます。私の部下には、スラムダンクについてひたすら話す人、ラグビーが大好きな人、ギターが趣味な人などがいます。

ワンテーマでいいので、その人が興味を持っていることにコミットしていくことが大切です。

例えば、ラグビーが好きでラグビーのことを話してくる部下に対して、私はラグビーをやったことがなく、ルールも知りませんでした。

しかしここで、「僕、ラグビーは全然わからないんだよね」と会話を終わらせては無意味です。努力してラグビーを知る、ラグビーを通じて部下の考え方を知ることが大事です。

また、知ったかぶりはせず、「部下から教えてもらう」という姿勢を示しましょう。そうすることで1on1ではある意味部下が優位になる、あるいは対等により近く。部下と会話する機会が増え、自分の知識も深められます。

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