「1on1のない会社は成長しない」上司が部下と現場を理解する実践テクニック

 

1on1のSTEP2:仕事上の悩みと解決策について部下から話をさせる

10分ほど雑談をして、場がほぐれたら少しずつ仕事の話にスイッチします。

「仕事で気になることはある?」
「やりにくいことはある?」
「周りとうまく仕事ができてる?」
などと振ります。

ここでも大前提は「傾聴」です。とにかく部下に話をさせて、部下の気持ちの変化や考え方、悩み、人間関係を聴く機会とするのです。

自分の話は1割もしません。質問をされたら答えますが、それが「説き伏せ」ではなく、「共感」に繋がるものでなければいけません。

こちらからの質問する場合のコツは、
「方針の発表があったけど、どの辺に共感ができて、どのあたりに違和感があったかな?」
など、まず共感を引き出すところです。

部下から共感が多かったところは、共通のフィードバックとして全体会議などで提示するとよいでしょう。

部下から聞く違和感に対しても、こちらの理解や考えを押しつけるのではなく、部下の理解度を把握したうえでフォローすることが大切です。

1on1をしていくと、会議だとあまり意見を言わないけれど、1on1だといいことを言う部下の存在にも気付くでしょう。そういった部下は能力を発揮しきれていない可能性があるので、その原因を探ることもできます。

このSTEP1とSTEP2で、部下のモチベーションや、気持ちの変化などをリアルタイムに把握できます。

1on1のSTEP3:部下の話は必ずメモをする

部下の気持ちの変化を掴むために最も重要なのは、「メモを取りながら話を聴く」ことです。

部下は、自分が言ったことを上司がメモすると、「ちゃんと聴いてくれている、忘れないようにメモしてくれている、自分と向き合ってくれている」と嬉しく思うものです。また、部下が多いほど、メモを取らないと忘れたり、ごっちゃになったりしてしまいます。

最悪なのは、パソコンで他の仕事をしながら1on1を行うことです。これではまるで意味がないうえに、やらされ感が漂いますし、忙しいのにわざわざ機会を設けているという嫌々感が出てしまいます。

1on1は部下に真正面から向き合う時間と心得ましょう。

1on1のSTEP4:最後に軽くサマリーする

予定時間の30分の終わりが近づいたら、1on1を軽くサマリー(まとめ)してあげることが大切です。部下の話をしっかり認識していることを相手に示すのです。

お互いの共通認識をサマリーで復唱すれば、部下、自分の記憶にきちんと残ります。

そして、サマリーで提示された問題点がどのように推移したかの確認を次回のテーマとします。

1on1のSTEP5:部下を趣味などで仕分ける

1on1が終了したら、そこで仕入れた部下の情報を仕分けます。

その目的は、「次の飲み会やランチのときに、部下同士の共通の話題を引き出して部下同士をつなげることで場を回す」ところにあります。

人間関係がうまくいっていない部署の飲み会やランチ会は、話題が仕事オンリーとなりがちです。これは、上司が部下同士の共通の話題を引き出せていないからです。また、隣同士の人としか話さない飲み会やランチも、「ダメな会合」です。人は、会合で「話しやすい人の隣」に座りたがるものです。共通の話題を上司が振ることができなければ、「ただ集まっただけ」になってしまいます。

1on1で部下から趣味の話を引き出した後に仕分けしておけば、みんなが深く盛り上がれて笑いが生み出せる共通の話題を必ず見つけられます。その共通の話題を振ることで、飲み会やランチで話が盛り上げて、いい雰囲気を作ることができます。

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