ファッションのプロが断言。コロナ禍で日本のアパレル企業は半減する

 

4.欧州にはない独自のファッションを

日本人は流行が好きだ。江戸時代には着物の柄や羽織の丈の流行が見られるし、ヘアスタイルにも流行があったようだ。

そういう意味では、日本は昔から大衆ファッションが存在していた国であり、上流社会にしかファッションが存在しなかった欧州とは性格が異なっている。

日本オリジナルの既製服が登場したのは、DCブランドからだった。当時の大手アパレルはトレンド情報を意識していたが、DCブランドは欧州のトレンド情報を意識していなかった。

これは欧州のデザイナーブランドも同様である。自分たちはトレンドを作る側であるという意識を持っていた。トレンドを追いかけるのは、売れ筋を追いかけてコピーするデザイナーもいないブランドだけだった。

渋谷の109全盛の時も、欧州のトレンドを意識するより、渋谷に集まる女子高生の顧客とのコミュニティの中から新しいファッションが発生していたのである。

ファッションの本質はコピーではない。ヨーロッパ以外の地域で、ヨーロッパにはない独自のファッションを生み出すのは、日本だけだ。

これを追求していけば、アニメやゲームに並ぶ、日本のポップカルチャーとなり、海外にも輸出できるのではないか。

編集後記「締めの都々逸」

コロナでトレンド追随のファッションが淘汰されることは、日本独自のファッションを発信するチャンスかもしれない。

「人の真似して 無難なものを 誰が評価をするものか」

既存のアパレル企業は半減すると思います。

否応なく、世代交代が進みます。

実用衣料は資本力のある企業が行い、日本独自のブランドは手作り派の若いデザイナーが創造していくのかもしれません。

日本には、独自のマンガ、アニメ、ゲーム等があります。独自のグラフィックです。ですから、独自のファッションがあってもいい。というか、独自のファッションでなければ、存在意義がありません。

実用的な服ならば、ユニクロ、無印良品、しまむらで十分に足ります。個人でなければできないファッション。手作りだからこそできるファッションがあると思います。

そんなムーブメントを日暮里で作れたらいいな、と思っています。(坂口昌章)

image by: Shutterstock.com

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