日本のメディアがほとんど取り上げぬ「22222222222宣言運動」の意義

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2022年2月22日22時22分22秒に東アジアのすべての国の首脳が、当地域における不戦の誓いを共同で宣言するよう働きかけるというプロジェクトをご存知でしょうか。今回のメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』では著者でジャーナリストの高野孟さんが、大きな意義を持つにも関わらず国内メディアががほとんど取り上げない「東アジア不戦推進プロジェクト」の全貌を、同会の資料と賛同者の声を引きつつ紹介しています。

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※本記事は有料メルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』2020年11月30日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール高野孟たかのはじめ
1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。同時に内外政経ニュースレター『インサイダー』の創刊に参加。80年に(株)インサイダーを設立し、代表取締役兼編集長に就任。2002年に早稲田大学客員教授に就任。08年に《THE JOURNAL》に改名し、論説主幹に就任。現在は千葉県鴨川市に在住しながら、半農半ジャーナリストとしてとして活動中。

東アジア不戦を誓う22222222222宣言運動――西原春夫元早大総長ら長老たちの提言

西原春夫=元早稲田大学総長がイニシアティブをとった、東アジアのすべての国の首脳が2022年2月22日22時22分22秒を期して「少なくともまず東アジアを戦争のない地域とする」共同宣言を発するよう働きかけようという提唱が、静かなる広がりを見せている。

「静かなる」と言うのは、この意義深い提唱が8月12日に発表されたにもかかわらず、翌日の新聞では読売と日刊ゲンダイが控えめに伝えたものの、その後は朝日のウェブ『論座』、『月刊日本』9月号、『日本の進路』9月号、『財界』9月23日号でポツンポツンと西原のインタビューなどが取り上げられただけで、まだほとんど世に知られていないからである。「日本の進路」は、角田義一=元参議院副議長・現立憲民主党群馬県連最高顧問が代表を務める「自主・平和・民主のための広範な国民連合」のマイナーな月刊機関誌。私は同誌で初めてこの提唱を知って驚いて探索を開始し、これは是非広めるべきだと思い、本記事を掲載するに至った。

まずは、提唱の本文を読み、またその提言者と賛同者のリストを一覧して頂きたい。提言者は、本文中に「戦争時代を直接体験した最後の世代」とされているように、1934年生まれ、ということは敗戦時11歳、現在87歳以上の方々が馳せ参じていて、中にはそれから数カ月の内にすでに亡くなった方も何人かある《資料2》。賛同者はそれより若い方々だが、いずれにせよその多彩な顔ぶれにはビックリ仰天する《資料3》。

瀬戸内寂聴や澤地久枝などは、これまでの運動の中でも「戦争をさせない1000人委員会」などに真っ先に名を連ねただけでなく、実際に運動に参加し安保法制反対の国会前のデモ・集会で発言するなどしてこられたので驚きはしないが、千玄室、石原信雄、三浦雄一郎、海老沢勝二、福田康夫となると「えっ、本当?」と思わず声を挙げてしまうほどの斬新さがある。ということは、この提唱はこれまでの左寄りの運動の枠を遥かに超える大きな広がりを持ちうるということを示唆しているのではないか。

アジア不戦推進プロジェクト

《資料1》東アジアの全構成国の共同宣言

私たちは、戦争時代を直接体験した最後の世代に属する者として、「最近の世界情勢」と「プロジェクトの思想」(後掲)が明らかにしたように、このたびの新型コロナウイルス感染症が人類の存続にかかわる深刻な脅威の兆候であるととらえ、人類が全力を挙げてこれに対処できるようにするため、2022年2月22日22時22分22秒という千年に一度の稀有な時点を期して、まずもって東アジアの全構成国の首脳が次のような共同宣言、又は個別同時の宣言を発出することを提言する。

  1. あらゆる対立を超えて人類全体の連帯を図り、人類絶滅の危機を回避するよう努力する。
  2. 少なくともまず東アジアを戦争の無い地域とする。

■日本国政府のこの宣言への参加を熱望する

上記の宣言を実現するため、まず日本の国民各位がこの提言の趣旨にご賛同下さり、可能であれば各種のグループを作り、最終的には日本国政府のこの宣言への参加を実現するよう尽力して下さることを熱望する。

■東アジアの政府を動かす運動を切望する

さらに、東アジアの、私たちと同じく戦争時代を体験した世代の方々が志を一つにし、それぞれの国の国民に訴え、ひいては政府を動かす運動を展開して下さることを切望する。

■東アジアのみならず、ほかの地域の戦争放棄に一歩近づけたい

東アジアのみならず、2022年2月22日という希有な時点を活用し、同様または類似の宣言を発出することのできる地球上の他の地域があれば、戦争放棄という人類の悲願の達成に確実に一歩近づくと信じてやまない。

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