誰が買う?36万円の猫用ユニットバスを出したダイワハウスの着眼点

 

これは、顧客が自社製品を知って、情報を調べ、買いに行き、使い、口コミをする一連の流れでの、顧客の動きを分解して、その動きの中で顧客が「妥協している」、「しょうがないけれどやっている」点を見つけ、その点を解決できる製品やサービス、機能を開発する、というやり方です。

このネコレットについている自動洗浄のトイレも、お客様の方は「猫砂の下のシートを毎回取り替えるのは面倒だ。でもみんなそうしているから仕方がない」と、妥協して納得して、毎回取り替えているのです。

このように妥協していた猫ちゃんの飼い主は、ネコレットの機能を見ると、「あったら嬉しいと思ってたんだよね。手間を省けるし、臭いもつかないし、シートを買う必要もなくなるから、ちょっとくらい高くてもいいかな」と、買う気持ちになります。

大和ハウス工業では、2008年の戸建て住宅「ペットと暮らす家」など、猫や犬と安全に暮らせる家を提案していますが、このネコレットでの、「猫が苦手なこと、飼い主が大変なことの両方を解決する」という方針はその理念にピッタリと合っていますよね。

こういった潜在ニーズでの優位性は、企業間取引でも同じことが言えます。顧客が抱えている潜在ニーズを発見できれば、値引きに頼らずとも、差別化ができるようになるので、ぜひあなたも、カスタマージャーニーの手法で、潜在ニーズを発見してください。

image by: Shutterstock.com

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