12月3日午前6時37分に発生した、山梨県東部・富士五湖を震源とするM4.9(最大震度5弱)、震源の深さ20kmの地震。実は同震源地で3日午前2時18分ごろに震度4、さらに午前2時23分ごろにも震度3の地震が発生していた。わずか数時間のうちに3回も、震度3から5弱の地震が発生していたのだ。
これだけではない。富士五湖の震度5弱からわずか3時間後の同3日午前9時28分ごろ、今度は和歌山県紀伊水道を震源とする、M5.4(最大震度5弱)、深さ20kmの地震が発生したのだ。これには日本中の国民が朝から驚いたに違いない。全く異なる地域で数時間後に同規模の大きめな地震が発生することは稀だからだ。
ここで懸念されるのが、富士山噴火の兆候、そして南海トラフ地震発生の兆候だ。気象庁は3日朝、富士五湖の地震について次のような発表を出した。
過去の事例では、大地震発生から1週間程度の間に同程度の地震が発生した事例は1~2割程度あることから、揺れの強かった地域では、地震発生後1週間程度、最大震度5弱程度の地震に注意してください。特に、地震発生後2~3日程度は、規模の大きな地震が発生することが多くあります。(中略)
なお、富士山の観測データには特段の変化は認められていません。
今のところ、富士山噴火の兆候については特段の変化はないという。しかし2020年10月、静岡で3.11が発生した2011年以来の異常な湧き水が報道されたことを覚えているだろうか。東日本大震災の4日後の3月15日、富士宮市ではM6.4震度6強(深さ14km)という巨大地震が発生している。3.11の影に隠れてあまり大きく報じられなかったが、この地震は後に「静岡県東部地震」と名付けられた。
● 静岡で「2011年以来」の異常な湧き水。首都圏大地震の発生は近いのか?
そして長年懸念されているのが「南海トラフ」地震だ。和歌山の震源で大きな地震が発生したと聞いて、この地震を思い起こした人も多いことだろう。南海トラフでスロースリップが観測されたことは昨年1月に大きく報じられたが、このタイミングでTBS日曜劇場にて放送中のドラマ『日本沈没』を見ていると、その恐ろしさは現実味を帯びてくる。
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そして、一連の地震を受けて関東周辺の住民を震え上がらせているのが、首都直下地震発生の兆候だ。