韓国ですら危険。日本にとってウクライナ侵攻が「他人事」ではない訳

 

日本の場合は、もっとひどく「憲法9条があるから他国が攻めてくるはずがない」などと、半分宗教的に日本国の憲法を賛美するような人がいることと、「攻めて来たら降伏すればよい」などと、主権や自由を否定する意見が存在ることではないかと思います。

要するにロシアが侵攻する3日前のキエフよりもひどい状態が日本であるというような感じではないでしょうか。

さて、もう少し当時のキエフを見直してみましょう。

2月24日になり、ロシアの侵攻が始まったという報が流れたのちに、キエフでは避難の車の列ができ、避難できない人は買い物に殺到するというような状況になります。

このような状況はコロナウイルスのロックダウンになる前の都市でよく見られた光景ですし、また、日本でも台風や雪害などの前に見られる状況です。

店の中の物が無くなるということも考えらえますし、物流が滞るということも考えられます。

いずれにせよ、避難をするか、あてのない人はキエフ市内に残り「籠る」ということを考えるということになります。

このことによってキエフ市内のいたるところで自動車が渋滞をするようになってしまいますし、また、様々なところで人があふれるということになります。

しかし、これが一変するのは3月に入ってキエフにもミサイルが飛んでくるようになってからです。

3月2日に、キエフのテレビ塔にミサイル攻撃がなされ、近くを歩いている人が犠牲になって以来、ロシアの砲撃またはミサイルによる攻撃が行われ、人々は地下に隠れるようになります。

この時、あまり地下施設がなかったので、地下鉄の駅などが避難所となっていました。

なお東部のマリウポリなどは、地下鉄も少ないので、市の中心部にある劇場が避難所となりますが、その避難所がミサイルで攻撃され300人以上の犠牲者が出るという悲劇になるのです。

さて、これも日本に当てはめてみましょう。

まず何よりも「数日間の水や食料」を家に蓄えている人は、地震などの自然災害に備えるという観点で多くの家でできているのではないかと思います。

それだけではなく、1か所のショッピングセンターに集中するのではなく、コンビニエンスストアなども多くありますし、飲み物だけならば、自動販売機も多数ありますので、それらの中を出せば、意外と飲み物などは出てくることになります。

最近では、「災害時には無料でとることができる自販機」など災害時対応の自販機も多くあるので、その点ではウクライナのような恐慌状態になるということになります。

しかし、避難するということになると、日本ほど脆弱なところはありません。

今回の件で、ウクライナから他国へ避難した人は400万人を超える人数になり、予想では1,000万人以上が避難をするという予想が報道されたりしています。

さて、日本の場合はどこに避難をするのでしょうか。

日本の場合、ウクライナのように陸上でつながっている他国はありません。

つまり、船か飛行機でどこかに避難するしかないのです。

しかし、戦争になった場合、海も空も敵に制圧されてしまっています。

そのことから、日本は逃げる場所がないということになるのです。

太平洋戦争の末期に、日本は「一億総特攻」というような標語を出して国民を鼓舞しましたが、実際に、特攻しない場合、つまり、日本国民が全て戦わない場合には、滅びるしかないのです。

国家の地理的特性を考えれば「逃げる場所がない」ということに気づかされるはずです。

自然災害の場合は、日本の国土全体が被害に遭うということはなかなか考えにくいです。

小松左京先生の小説『日本沈没』のような内容にならなければ、基本的にはあり得ないでしょう。

しかし、戦争の場合は「人為的」であるということから、その規模も人為的に設定するので、当然に日本国全体が戦場となり得るということになります。

そのように考えると、日本の場合は逃げる場所がないということになります。

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