コロナ禍の巣ごもり需要が落ち着いた今でも、アマゾンなどのプラットフォームを利用した地方のネットスーパーが好調のようです。今回のメルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』では著者の理央さんが、その理由を紐解きます。水やお米など運ぶのがたいへんな重い物以外の、想定外に売れているモノに着目した売り伸ばし方は、マーケティングにおいて大事な視点で、多くのサービスで参考になると伝えています。
この記事の著者・理央 周さんのメルマガ
変化に敏感になると“なぜ売り伸ばせる”のか?ネットスーパーに学ぶ仮説と検証の手法
ネットスーパーが頑張っています。巣篭もり需要がひと段落しても、新しくネットで様々なものを買うようになった人たちが、これまではスーパーマーケットで買うような、生鮮食品などを買うようになりました。それにともなって、食材などを扱うネットスーパーの需要が増えています。
そんな中で、先日日経MJに、面白い記事が載っていました。それは、想定していたものとは違う商品が売れている、ということだそうです。
もともとは、ネットで家まで届けてもらうのであれば、運ぶのが面倒な米や水などの、“重いもの”が売れるだろう、と考えていたそうです。ところが蓋を開けてみると、意外と肉や魚、野菜などの生鮮食品が売れている、ということでした。
私も料理をするのですが、歩いて10分くらいのところにスーパーがあるので、通販で食材を買ったことはほとんどありません。生鮮食品が売れるという傾向については、地方のスーパー、記事には北関東のベイシアや、愛知県のバローの例が載っていました。
これはアマゾンなど大手のネット通販の会社が、スーパー用にプラットフォーム=場所を提供して、そこでスーパー各社が店を出して売れるようにしました。自社でECやそのための流通網を用意しなくても、ネットで売りやすい環境が整ってきたため、イオンなどの大手でなくても、アマゾンを活用すればできるようになったのです。
考えてみれば、こういったスーパーは、40代くらいの子育て世代が多いと想定できます。かれらは、仕事の帰りなどに、毎日の食材を買いに行く時間を節約したい、と考えることも多いため、生鮮食品などが売れるのでしょう。
アマゾンの中にある、バローのネットショップを見てみると、「1時間単位で時間指定ができるようになりました」と書いてあり、便利さを訴求しています。また、お買い得セールの告知や、プライベートブランドなども揃っていて、お値打ちさもわかるようになっています。私もリアル店舗によく買いに行くのでわかりますが、ECでの値段も、リアルの他のスーパーと、あまり変わらないくらいです。
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