2025年の開催が決まっている大阪万博。着々と準備が進められているようですが、蚊帳の外だと感じている地元の中小企業も少なくないようです。また、大阪府と市はIR誘致も目指していて、こういった国や自治体が取り組む大きな事業をビジネスに生かしたいと思うのは経営者なら当然です。大阪でサイト制作・運営する会社の代表からチャンスを掴むためのアイデアを求められたのは、『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』著者で人気コンサルの永江さん。前回の大阪万博のときとは環境が違うと前置きしたうえで、可能性があるとすれば万博もIRもインバウンド需要を捕まえることと助言しています。
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大阪万博とIRはビジネスチャンスになる?
Question
いつも大変勉強になっております。私は、関西を拠点としてサイト運営やコンテンツ制作で食べている法人の代表です。メンバーは数人しかいない零細企業で、B2Bのわりとお堅い案件が中心でさして儲かりもせずトントンぐらいでやっている状況です。
ここからがご相談です。これから大阪で万博とIRが開催されまして、ビジネス上のチャンスや転機にしたいところです。しかし、地元であっても当社含めて多くの中小企業は蚊帳の外です。今から内部に食い込むことは不可能だと思いますので、非公式に外側からなにか面白い仕掛けをしたいのですが、社内では良いアイデアが浮かびません。
万博とIRはもちろん別のイベントですが、それぞれあるいはどちらかで何らかの仕掛けをするために、どういったアイデアやアクションが考えられますでしょうか。
永江さんからの回答
ぶっちゃけ万博もIRもそれほど筋はないと思いますね。インバウンド拡大に備えて、来日した外国人向けのメディアを持っておくくらいじゃないでしょうか。
まず万博ですが、日本復興の象徴となった前回の大阪万博への信仰があるから話題になっているかもしれませんが、現代で万博に期待する意味がわたしには分かりません。前回の大阪万博の時代はテーマパークも商業施設も、最新の科学技術や製品への認知がほとんどない中だったので、展示に観衆が押し寄せました。しかし、現代ではスマホもインターネットもあり最新技術は巷の製品に取り込まれ、ディズニーランドもUSJもアウトレットもあります。
そんな中で万博に行きたいと思うのなんて、前回の万博を懐かしむインターネットを使えない高齢者か子供くらいでしょう。万博は大した影響もなく終わるのではないかというのがわたしの見立てです。臨時のテーマパーク並みの認識ですね。
次いでIRですが、海外の富裕層を呼び込めれば良い産業になりますが、担い手になる事業者は反社チェックなどを徹底するため、おそらく国や行政で抱える大企業になると思います。地域の中小企業ができることとしては、インバウンドの増加に備えて仕掛けることくらいじゃないでしょうか。
インバウンド向けの地域のサービスとしては、ベタですが旅行客向けの現地紹介やマニアックなお店を出すなどはあるかと思います。旅行ガイドってトリップアドバイザーでもいい加減なことが書かれていて、プーケットで有名な滝があるって書いてあって行ったらただのどぶ川だったなんてこともありました。
なので、英語・中国語・韓国語で大阪の有名どころや名店を紹介するなど信頼性あるメディアがあれば、観光客から利用されるでしょうし、サービスを買いたいという事業者が出てくるかもしれません。あとは、ニーズ調査した上で、観光客が喜ぶようなマニアックな店を出したら来てくれる可能性もあります。
ただしコロナ前に競合がかなりできてます。どちらにしても手間はかなりかかるので片手間では続かないですが、もしやる気があったらチャンスはあると思いますね。
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image by:Mirko Kuzmanovic/Shutterstock.com