なぜ「前後裏表のない洋服」が大注目を浴びることになったのか?

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一人で着脱が難しい人向けに作られた「前後裏表のない」洋服、この商品が今話題になっています。MBAホルダーで無料メルマガ『MBAが教える企業分析』の著者である青山烈士さんは今回、その商品戦略と戦術を分析。ターゲットを絞り込んだ結果、本来のターゲット層以外からも注目された商品開発について詳しく紹介しています。

誰かのために。一人での着脱が難しい方をターゲットにした画期的な洋服の開発秘話

今号は、前後どちらも着られる服を分析します。

● 縫製メーカーである「株式会社マキカンパニー」と衣服の企画販売会社「fukufuku312」が共同開発している「オールフロントシリーズ

一人での着脱が難しい方をターゲットに「子育てや支援に希望を持ってもらいたいという気持ち」に支えられた「着脱しやすく、前後表裏なく着用できる」等の強みで差別化しています。

もともとは発達障害の子ども向けに開発された商品を大人向けにも開発することで大好評となり、注目を集めています。

■分析のポイント

前後表裏なく着用できる、と聞いたときにまず思ったのが、洗濯がラクだな、ということです。

我が家は、私も含めてシャツを裏返して脱ぐ人が多いので、ハンガーに干す時に表向きにするのが面倒くさいのです。

裏返したまま干す時もありますが、畳む時には表向きにしますし、裏返したまま畳んでも、結局、着る時には表向きにしなければなりませんので、手間がかかるのは間違いありません。

そして、前後を間違えてシャツを着てしまうことは、子どもはよくやりますし、私もたまにやりますが、わりと恥ずかしい思いをします。

何事も表があれば裏があるというのは、よく聞く話ですが、前後表裏が無いというのは新しい発想ですね。

今回のポイントは、「オールフロントシリーズ」がもともとは、発達障害の子ども向けに開発された商品だということです。

何が言いたいかというと、最初から、多くの人に売るために開発されたものではなく、特定の誰かのために作られた商品であるということです。

つまり、誰かのためにが、多く人のためになるということです。

多くの人に売りたいという気持ちが先行してしまうと特徴が見えにくい商品が開発されがちですが、

特定の誰か、具体的な誰かに使ってもらいたい、という気持ちが先行することで、際立った特徴を持つ商品開発に繋がるのだと思います。

ターゲットを絞り込んで開発することの重要性を改めて感じた事例と言えるでしょう。

今後、「オールフロントシリーズ」がどのように拡がっていくのか注目していきます。

 

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