中国軍機の領空侵犯は既に“攻撃”。台湾有事は国防部長の発言で近づいた

2022.11.09
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もはや習近平国家主席が隠すことすらなくなった、台湾統一のための軍事力行使の可能性。勃発してしまえば日本も間違いなく甚大な被害を受ける軍事衝突は、避けることはできないのでしょうか。そんな台湾有事について、問題は「起きるか否か」ではなく「いつ起きるか」とするのは、外務省や国連機関とも繋がりを持ち、国際政治を熟知するアッズーリ氏。アッズーリ氏は今回、相次いでいる中台双方の過激な言動の危険性を指摘するとともに、台湾有事への「長いカウントダウン」は既に始まっているとの見解を記しています。

台湾有事「起きるか、起きないか」は愚問。一番の問題は「いつ起きるか」だ

台湾の邱国正国防部長は10月5日、台湾が領空と主張している空域を中国軍機が侵犯した場合、それを最初の攻撃とみなして反撃する立場を示した。台湾はこれまで中国による第一攻撃をミサイルなどによる攻撃と定義し、それがないうちは台湾側からの攻撃は控える立場だったが、5日の邱国正国防部長の答弁はより踏み込んだ台湾側の意思となった。台湾国防部(国防省)は4日にも、今後中国が中国軍機による中台中間線越えや台湾離島へのドローン飛来、台湾を包囲するような軍事演習など、これまで以上に強硬な軍事的威嚇を今後常態化させてくると懸念を表明した。

最近の中台関係は明らかに以前より緊張の度合いが増している。そのトリガーになったのが8月のペロシ米下院議長の台湾訪問だ。中国は欧米各国の政治指導部関係者が訪台するごとに何かしらの牽制球を投げてきたが、ペロシ米下院議長の訪問を巡っても再三にわたって忠告してきた。中国外務省は、「訪問が実現すれば強い対抗措置を取る」と警告し、習近平国家主席も7月下旬にバイデン大統領と電話会談した際、「火遊びをすれば必ず火傷する」と釘を刺していた。だが、必要以上に緊張を高めたくないバイデン政権の本音とは裏腹に、ペロシ米下院議長は台湾を訪問し、「世界は今民主主義と専制主義の競争となっているが、台湾の民主主義を守るためのアメリカの決意は揺らぐことはない」と台湾と連携を強化する意志を示した。

しかし、これが却って中国に2つのプレゼントを提供することになってしまった。1つは、米国のナンバー3ともいわれるペロシ米下院議長と協力を確認した台湾に対する“懲罰的措置”で、もう1つがそれを“常態化させる口実”である。ペロシ訪問を待っていたかのように、中国軍は台湾を四方八方囲むような軍事演習を行って台湾を威嚇するだけでなく、中国軍機による中台中間線超え、そして台湾離島へのドローンの飛来が激増するなど、中国はペロシ訪問をきっかにこれまでにない軍事的威嚇を取るようになっている。これはペロシ訪問を許した台湾への懲罰的措置の一環である。

だが、中国にとってそれは単に懲罰的措置に終わらない。中国側の狙いは、今回のペロシ訪問を懲罰的措置だけでなく、それを利用して同威嚇を常態化させることにある。冒頭の台湾国防部の発言の背景にもそれがあろう。台湾を四方八方囲むような軍事演習、中国軍機による中台中間線超えや台湾離島へのドローンの飛来の激増など、中国はそういった行動をルーティーン化し、今後ペロシ訪問の際に生じたレベルの緊張でなくても、同様の行動を取ってくることだろう。

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