「登校拒否」の子と親の居場所、トーキョーコーヒーに期待する訳

 

トーキョーコーヒーは、「モノづくりを通して信頼関係を築く」「子供が自分らしくいられる場をつくることで学ぶ意欲を引き出す」などを大切にしていています。それ以外は自由。何を、いつ、どれくらいの規模で開催するかは、それぞれの主催者が自由に決めているのです。

お母さんやお父さんたちみんなで遊んで、学んで、協働で子育てをする。親が元気になり、それを見た子供も嬉しくなる。ネガティブになりがちな「登校拒否」が、「トーキョーコーヒー」では笑顔に変わります。

不登校になる子供は、なんらかの原因があって「行きたくない」ケースがほとんどです。しかし一方で、10人いれば10通りの理由があり、原因も一つではありません。小さな「嫌!」が積み重なり、がんばりのしきい値を超えてしまう場合もあれば、大きな「嫌!」に心がクラッシュされて「行きたいけど行けない」子供もいます。

それぞれの課題はあるけど、共通して子供が求めるのは「大丈夫!」って一言です。「いいんだよ。ここにいて」という人がいて、そばで抱きしめてくれる人たちと「空気を共にできる」。たったそれだけで、暗闇の回廊から抜け出し、前に踏みだせる。「私」の道を歩くようになっていくのです。

そもそも不登校って、日本だけの現象なんですよね。欧米では「教室に行きたくない」という子供のクラスがあったり、スクールカウンセラーがサポートしたり。国によって取り組みは様々ですが、「人」を中心にして、周りの環境を変えることができます。選択の自由が、担保されているのです。

「組織に人が合わせる」が当たり前の日本とは違いです。常に中心にいるのは「人」。色々な子供を受け入れる環境を、子供の複雑で未熟な感情を受け入れる制度を、大人たちが汗をかくことで徹底して整備しているのです。

それは「道から外れてもオッケー」という多様性であり、「いつでも戻れる」という開かれたチャンスでもあります。と同時に、「子育ては社会の責任」という共助です。

いずれにせよ、不登校問題になると「学校にいくのはあたり前」という価値観と共に、「学校は行かなくていい」という考え方ばかりがクローズアップされますが、その前に子供も親も笑顔になる、居場所があることが肝心なんじゃないでしょうか。あくまでも選ぶのは「子供」であり、学校に行く時、行けない時、行かない時のすべての選択肢を捨てない環境づくりが必要だと思います。

「トーキョーコーヒー? うちの近所にあるよ!」という社会になればいいなぁとつくづく思います。みなさまは、この問題についてどのようにお考えでしょうか?是非ともご意見、お聞かせください。

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