中国の10大ニュースに「日本」。なぜ南京市の寺でA級戦犯の位牌が祀られた?

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特に、南京玄奘寺は日本の戦犯の位牌を祀っていることについて説明をしたい。中国メディアによると、位牌が確認されたのは南京市玄武区の古刹「玄奘寺」。極東国際軍事裁判でA級戦犯とされ、その後死刑を執行された松井石根陸軍大将や、南京軍事法廷で死刑となった谷寿夫陸軍中将らの氏名が書かれた位牌が奉納されていたということです。今年2月にこの寺を訪れた観光客がSNS上に画像を掲載し、ネット上で騒ぎになりました。

南京市民族宗教事務局が市内の玄奘寺で今年2月に位牌が見つかり、既に撤去されたと発表しました。さらに、市政府は、社会に悪影響をもたらしたとして、同事務局幹部らを免職などの処分にしました。

この出来事は、中国で大きな反響を呼んでいました。そのような行動は犯罪とみなされます。その後、中国警察はこの奉納者が呉阿萍(Wu ah-ping)という女性であることを突き止めた。北京の医学部で学び、2013年から南京の病院に勤務、2019年に五台山の寺の僧侶になるために辞職していました。

公安当局の訪問と調査により、戦犯の位牌を奉納した行為は呉阿萍の個人的な行為であり、その背後には他人の指示や共謀はないと指摘された。心理的なトラウマがあり、仏教に触れた彼女は、5人の日本人戦犯を供養することで自分を解放し、「不幸から抜け出せる」と期待したわけです。つまり、政治的な立場とは関係なさそうです。

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在日中国人作家。日中の大学でマスコミを専攻し、両国のマスコミに従事。十数年間マスコミの現場を経験した後、2009年から留学生教育に携わる仕事に従事。2015年日本のある学校法人の理事に就任。現在、教育・社会・文化領域の課題を中心に、関連のコラムを執筆中。2000年の来日以降、中国語と日本語の言語で執筆すること及び両国の「真実」を相手国に伝えることを模索している。

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