“時速20kmの死神”無免許ノーヘル電動キックボードが生む大事故…「俺は人を殺したくない」四輪ドライバーに緊張走る

2023.01.19
by 東山ドレミ
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“公道の悪夢”とも呼ばれ畏怖されてきた電動キックボードに、運転免許なしで乗ることができる新制度が7月1日からスタートする。最高速度は車道で時速20km、歩道で時速6km。電動アシスト自転車と原付一種50ccバイクが悪魔合体したかのような「新型」の出現に、自動車ドライバーからは絶望の声が続出している。

電動キックボードの「無免許、ノーヘル」合法化へ

各紙報道によると、7月1日に施行予定の改正道路交通法で新たに認められる電動キックボード(特定小型原動機付自転車)の概要は次のとおり。警視庁では現在パブリックコメントを募集中だが、今の自転車におおむね近い規制となるようだ。

  • 原則として車道左側や自転車レーンを走行(最高速度20km/h)
  • 歩道や路側帯も走行可(最高速度6km/h)
  • 運転免許証は不要(16歳未満は運転禁止)
  • ナンバープレート設置や自賠責加入は必要
  • 携帯電話の使用や酒気帯び運転は禁止
  • ヘルメットの着用は努力義務にとどまる

クルマよりコンパクトで環境負荷が低く、地域内の気軽な移動手段となる「マイクロモビリティ」として期待されている電動キックボード。従来は、国が認めた一部特例を除き、公道を走るには原付免許が必要だったが、7月以降は最高速度20km/h以下のものに関して「自転車並み」の身近な乗り物になる。

だが今回の規制緩和に対し、ネットでは疑問や反発の声が数多く上がっている。四輪ドライバーを中心に、「自転車や原付ですら怖いというのに…」「交通ルールを守るとはとても思えない」「どうせ事故の過失責任はクルマ、嫌すぎる」など、予測不可能な交通事故により、自分自身が加害者となってしまうことを危惧する人が少なくないようだ。

なぜ電動キックボードは「恐ろしい」のか?

7月からの新しい規則では、電動キックボードが車道を走行する際は緑色のランプを「点灯」、歩道を走行する際は「点滅」させる必要がある。

だが、電動キックボードはこのルールを平気で破ってくるのでは?と心配している人が多い。

背景には劣悪な道路環境もありそうだ。車道左側には迷惑駐車、自転車レーンは少なく、歩道も途切れ途切れの細い道ばかり――日本ではお馴染みの光景だ。

電動キックボードとしては、時速20km/hで車道のクルマの流れに乗ることは不可能だから、そのときの状況に応じて「走りやすい道を選んで走る」状態になりやすい。

電動キックが車道と歩道を簡単に行き来できないように、走行中は設定を変更できない構造になるというが、最高速度20km/hを示す緑のランプを「点灯」させたまま歩道に侵入する不届き者が出てくるのは時間の問題だろう。

クルマのドライバーとしても、電動キックボードがいつ車道に飛び出してくるか分からない状況は恐ろしい。

車道に16歳新人(無免許・無講習)が溢れかえる

さらに、交差点での直進・左折・右折それぞれの優先度、一時停止といった基本ルールへの理解や、左右・後方確認など安全確認の面でも、電動キックボードの運転者に対して不安を抱いている人が多い。

内輪差を考えずにすり抜けしようとした自転車や原付バイクが、左折時にクルマに巻き込まれる事故がよく発生しているが、電動キックボードではなおのこと注意が必要だ。

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