“時速20kmの死神”無免許ノーヘル電動キックボードが生む大事故…「俺は人を殺したくない」四輪ドライバーに緊張走る

2023.01.19
by 東山ドレミ
 

安全運転を心がけても「公道最弱にして最凶」

仮に電動キックボードを運転する人がすべての交通ルールを遵守し、安全運転を心がけたとしても、危険な乗り物であることは変わらない。

電動キックの小さな車輪は、自転車や原付バイク以上にちょっとした段差や悪路に弱い。立ち乗りしている運転者がとっさに急制動をかけた場合踏ん張りが効かず、そのまま道路に投げ出される可能性は高そうだ。

にもかかわらず、新制度でヘルメットの着用は「努力義務」にとどまり、ノーヘルでも違反にならないのだ。

最近は都内でも原付仕様の電動キックボードを見かけるようになったが、運転者は若いカップルや数人の仲間同士というケースが少なくない。彼らは横並びになったり縦に連なったりしてフラフラと「ドライブ」を楽しんでいる様子だが、先頭の1人が転倒した場合に何が起こるか、見ているだけでも恐ろしく感じる。

万一転倒した電動キックボードを跳ね飛ばしてしまった場合、どれだけ理不尽な事故であっても、交通弱者を保護する優者危険負担の原則からクルマの過失割合は高くなる。

電動キックボードは“公道最弱”であるがゆえに、四輪ドライバーにとって最悪の“死神”になる恐れがある。

7月からクルマを運転する際は、予期せず自分が「加害者」や「人殺し」になってしまわないよう、ニュータイプ並の想像力を働かせて安全運転を心がけていくしかなさそうだ。

image by: shutterstock.com

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