Netflix『舞妓さんちのまかないさん』で再燃か。特例では済まされぬ舞妓さんの過酷な労働実態

 

この事件に関して、後藤茂之厚生労働省大臣に対する記者とのやりとりが、公開されています。
後藤大臣会見概要 |令和4年6月28日|大臣記者会見|厚生労働省

【記者】
京都の花街で働く芸妓ですとか、舞妓と呼ばれる女性への法的な保護について伺います。芸妓や舞妓という方々は、所属する置屋との間で雇用契約が存在しない場合もございます。特に舞妓においては、未成年者でありながらも仕事のなかで飲酒をすることもあります。こうした芸妓や舞妓という方々は、労働基準法の適用される労働者とみなされるのでしょうか。

 

また、所属する置屋ですとか、実際に働く花街、お茶やという場所というのは労働基準法や労働安全衛生法の適用される事業場となりますでしょうか。

 

いずれも該当しない場合というのは、未成年者を含む芸妓や舞妓という方々にはどのような法的な保護がなされるのでしょうか。大臣のご所見をお願いいたします。

 

【大臣】
まず、個別の事案についてはお答えがしにくいということについては、申し上げておきたいと思います。

 

労働基準関係法令においては、健康や福祉の確保の観点から、18歳未満の労働者について、夜10時以降の深夜業や、酒席に侍する業務に従事させることを禁止しています。

 

労働基準法が適用される労働者であるか否かは、契約の名称にかかわらず、仕事の依頼や、業務指示等に対する諾否の自由はあるのか、業務を遂行する上で指揮監督を受けているか等の実態を勘案しまして、総合的に判断されるものであるため、一概にお答えすることは困難であると考えます。

 

また、ご指摘の「置屋」が労働基準法上の「事業場」に該当するか否かについても、個別に実態を踏まえて判断されるものであるため、一概にお答えすることはできないと考えております。

 

いずれにしても、ご質問にあった未成年者の飲酒については、「二十歳未満の者の飲酒の禁止に関する法律」によりまして、飲酒も、酒の提供も禁止されているものと承知をいたしております。芸妓や舞妓の方々が適切な環境の下で、芸妓や舞妓としてご活動いただくことが重要であると考えております。

大臣(もしくは、この答弁の原稿を書いた官僚)が、この問題を真正面から直視しておらず、積極的に対処する気が全くないことが良く分かる答弁です。

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