出店店舗になぜモバイルの話?
その戦略の中には、自ら築いたエコシステムの中に、新しいプラットフォームを作る為にモバイルを活用することを念頭に置いています。
楽天のエコシステムはもはや楽天市場の原動力で、加えて、モバイルを真ん中に据えることで、その勢いは更に加速すると断言します。
モバイルに集まる情報をAIで分析し、自動化して処理することで顧客のニーズを特定します。一方で、楽天市場でのAIの精度を高めていけばどうでしょう。
その顧客がどんな人なのかを浮かび上がらせることになるだろうと。極論、Netflixでどんな作品を見ているのか、といった具合に。
データというのは、その一人一人の中身を明らかにする。その中身が、楽天市場内の顧客体験を向上させるというわけです。それがまず、自分たちにできる「楽天市場」への付加価値だと。
大容量で使って欲しいから低価格
だから、楽天は経済圏の付加価値を高める要素として、モバイルを見ているわけです。
だから、モバイル単体では極力、わかりやすく低価格で提供することに繋がります。
それらを強調することで、彼が考える未来はなんでしょう。大容量化するモバイル通信をむしろ積極的に使ってもらいたいという考え。例えば、PS5のゲームを一本ダウンロードするだけでも実は、50ギガ使ってしまう。
100ギガ、200ギガを当たり前に誰でも使えるために、安く、そしてプランもわかりやすくしなければならないのだと言います。
そして、物事の流通がデジタル上で行われるほど、それらの利用が増えて、楽天モバイルは、それだけのデジタル化の需要に応えるインフラになるというわけです。
これを彼は「携帯市場の民主化」と呼んでいます。もっと自分たちの趣味嗜好に合わせて、モバイルを通して、自分たちの楽しみを見つけてほしいというわけですね。
それが今話したように、楽天市場の顧客体験に繋がるから、制限なくそれを勧めていくのです。
だから、モバイルが「楽天市場」の利用を促しますと。
既に、2022年1月から2022年12月の契約者に関して、モバイル契約前と契約後で楽天市場の年間流通総額は49%も伸びています。その一方で、楽天経済圏でモバイルユーザーの占める割合は11.6%に過ぎない。だから、伸びるほどに、流通総額は伸びるという彼の説明に繋がります。
加えて、楽天を支えた「カード」事業などに比べて、モバイルは生活に密着しているから、インフラとしての親和性の高さがある。だから結果、クロスユース率の向上も見込めるというわけです。
実際に、モバイル契約後のクロスユースサービス数は+2.58サービスに及んでいます。そうやって、ポイントがさらに流通しやすくなれば、既に6,200億もの発行がなされているポイント経済圏はより大きな価値をもたらすといいます。
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