なぜ「消滅集落」にあるフレンチにここまで多くの客が集まるのか?

Bartender pouring red wine from a bottle in a wine glass, selective point of view on a wine glass
 

このお店のシェフは、真の地産地消を極めるために富山中を歩き、食材とその生産者との出逢いを求めています。

そこで見つけた生産者との繋がりを深め、まだ眠っている食材を探したり、新しい食材の生産を依頼したりしています。

たとえば、観賞用の花の栽培農家では、食べられる花・エディブルフラワーの栽培を依頼しています。

これがキッカケで、この農家はエディブルフラワーの栽培がメインとなり、全国に出荷できるようになりました。

あんぽ柿を作る農家では、お店専用の商品を作ってもらい、デザートとして出しています。

また、売れなくなってきていた野生動物を獲る猟師もこのシェフと出逢ったことで、「生活が支えられている」とまで言っています。

さらに、お店で使う食器やカトラリー、調度品も、そのほとんどが富山の作家のもので揃えられています。

ビール、ワイン、日本酒も地元の製造所で、お店オリジナルのものを作ってもらっています。

自然豊かな場所とはいえ、消滅集落にポツンと建った1軒のレストラン。

「こんなところには誰も来ないぞ」と思われていたお店なのに、連日大盛況。

しかも、たった1軒なのに、周囲を巻き込み、地元の産業を創出しているとも言えます。

その影響力は計り知れず、今後、楽しみなお店です。

こうしたお店が過疎の町に出店すれば、その地域は賑やかさを取り戻すかもしれません。

活性化のために、飲食店の誘致を考えても良いのではないでしょうか。

過疎化を食い止める、ひとつの策ではあります。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 佐藤きよあき(繁盛戦略コンサルタント) 【発行周期】 週刊

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