コスプレが大きな鍵になる?次世代のアパレル企業が進むべき道とは

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2.エンタメ系ネットアパレルの可能性

次世代のアパレル企業はどのような業態になるのでしょうか。

まず、店舗流通からネット流通に主役が移ります。ネット販売を主体としたネットアパレルが主流になるかもしれません。

ネット流通では、返品保証や決済の安全性が保証されていることが多いので、生産地や販売企業の国籍は問題になりません。

と言っても、市場には固有の嗜好があるので、同じ商品を世界中で販売するというグローバルブランドには無理があります。「フォーエバー21」等、初期のファストファッションの業績悪化がその裏付けになるかもしれません。

中国生産であっても、日本市場向けのブランドのニーズはなくならないでしょう。特に日本のローカルなファッション市場のポテンシャルは高いので、この市場はなくなりません。

ネット流通が主体でも、実店舗のニーズはあります。色や素材を確認したい、試着してサイズを確認したいというニーズがあります。ネット通販のブランドが相次いで試着目的のショップを開設しています。この流れは更に発展するでしょう。

私は、試着ショップにエンタメ性を加え、SNSメディアと連携することが新たなビジネスモデルになるのでは、と考えています。

試着店舗に、SNS投稿スタジオの機能を加えるのはどうでしょうか。元々、試着目的のショップなので、商品を大量に陳列する必要はありません。ゆったりとした空間で、所々に撮影のための背景や小道具を用意するのです。あるいは、グリーンバックの壁紙と様々な背景を合成できる設備を導入してもよいかもしれません。

こうなれば、試着が目的ではなく、撮影が目的になります。化粧品メーカーとタイアップしてメイクアップの試供品を提供したり、ヘア&メイクのプロによるワークショップを開催するのも良いでしょう。

写真の撮影ワークショップの可能性も出てきます。その場合、静止画や動画撮影の器具を陳列し、ネット販売するのはどうでしょうか。

こうしたワークショップが整備されれば、インフルエンサー育成プログラムも可能になります。

店舗でインフルエンサーを育成し、店舗で撮影し、店舗からライブコマース番組を発信する。こうなれば、自社ブランドに限定せずに、ファッション番組を自由に発信するのも良いと思います。

店舗そのものがファッションを楽しむ場であり、ファッションを発信する場になるわけです。自社の商品を販売して利益を上げるというビジネスモデルだけでなく、ファッションメディアとしてのビジネスモデルが軌道に乗れば、更に可能性が広がるはずです。

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