障がい者の法定雇用率UPに企業側は「不安」。双方が“不幸”に陥るケースも

 

「障がい」が何であるかを認識し、共有しなければならない

精神障害者の手帳や知的障がい者の手帳は違うし、身体障がいも違う。

それぞれに等級があり、それが支援の質など決める指針となるのだが、知的障がい者の療育手帳を示し、言葉の認知に関して配慮が必要な場合も平気で難しい言葉で会社説明をしてくる面接官もいる。

一方的に話をし、いざ対話になった時に発語に障がいがあるなどの特性が分かり、成立するコミュニケーションのスタイルに変更する場合もある。

双方にとって良い機会にするには、やはり「障がい」が何であるかを認識し、共有しなければならないのだ。

そして年度末。

今後、法定雇用率が上がることで企業の担当者にのしかかるプレッシャーは大きい。

法律の枠組みを決めて法定雇用率という数字で動かそうとする手法は、生真面目な日本社会には効果的で、数字があるから雇用が徐々に浸透してきた現実もある。

浸透した障がい者雇用という枠組みを、インクルーシブな環境を基本に一緒に働くことを念頭にした社会づくりに、どこからシフトしていけるのだろうか。

数字がある限り、その期日があり、結果的にその数字は数字でしかないことにもなる。

2・7パーセントへの雇用率引き上げの次を示して、社会全体でインクルーシブな働きについて考えていく準備をしたい。

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