英国のオーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」で日本人初の決勝進出を果たした、お笑い芸人・とにかく明るい安村(41)。惜しくも優勝は逃したものの、決勝で披露した「スパイダーマン」「バットマン」「スーパーマン」「フレディ・マーキュリー」に扮した「はいてますよ」ネタで会場は大盛り上がりだったようだ。安村本人も「夢みたいでした!」とSNSに投稿している。今回の快挙に関係者は「オリラジ中田さんの言う通りになるかも」「一発屋芸人の価値が見直されるのでは?」と話す。物議を醸している、オリエンタルラジオ・中田敦彦(40)の発言は「予言」だったのだろうか?
テレビのニュース速報に『とにかく明るい安村』の名前が
都内のIT企業で働く男性(30代)は、今朝の衝撃を振り返る。
「テレ朝の『グッド!モーニング』で、次番組に切り替わる前に〈速報です〉って言うから、また北朝鮮か?と思ったら〈とにかく明るい安村さんが決勝進出~〉だったんです。いや、びっくりしましたよ。わざわざ、放送最後に直接言うことなのか?と。次の羽鳥さんの番組(モーニングショー)でゆっくりやればいいじゃないかと思いましたが……」
当初、この速報に懐疑的だったこの男性。しかし、時間が経つにつれて考えが変わったという。
「ネットニュースにも安村の記事が多くて、ブリテンズ・ゴット・タレントで決勝進出することが本当にすごいことなんだと分かりました。申し訳ないけど安村って、一発屋タイプの芸人じゃないですか。テレビに出てもトークで笑いをとるわけではないですし。私は、日本のお笑いといえば絶対に漫才(喋り)だと思っていたけど、客のノリとかを含めて、世界に出るとこうも違うんだなと感じました。ちょっと勉強になった気分です」
安村が日本のお笑いを変える?
男性を話を聞いて思い出すのが、先日YouTubeチャンネルで「松本人志への提言」と題した動画を公開したオリエンタルラジオの中田だ。彼は動画で、「お笑いって漫才だけではない」「漫才とコントとその他の演芸は本当はフラット」などと発言していた。M-1グランプリの影響で「漫才至上主義」の価値観が浸透した日本のお笑い界に一石を投じたのだ。
英国で「はいてますよ」ファーバーを巻き起こした、とにかく明るい安村の活躍は、この「漫才至上主義」を変えるきっかけになるのだろうか? テレビ関係者はこう語る。
「YouTubeやTikTokなどテレビ以外での表現の場が増えても、中田さんの指摘通り“漫才ができないと芸人としては認められない”空気があるのも事実。相方の名を出されて激怒した霜降り明星のせいやさんが〈真っ直ぐ勝負してないウンコみたいなやつが相方の名前使うな中田〉とツイートしましたけど、〈真っ直ぐ勝負〉というのが、まさに今のお笑い界の空気。安村さんの躍進で、これが変わることも充分考えられます」
安村の快挙は、お笑い芸人を志望する人々にも変化をもたらすのでは? と言うのは、ラジオやテレビを中心に活動する放送作家である。
「一発屋と呼ばれるようなジャンルでも、勝負する場所を変えれば戦えることを証明しましたよね。活動の場を日本に限定する必要はないじゃないかという話です。中田さんの発言は正しい部分もあって、お笑いの養成所のネタ見せでは、笑いを学ぶ前のほとんど生徒が初めから漫才やコントを披露します。やはり、〈お笑いといえば漫才orコント〉の価値観が強いのでしょう。リズムネタやギャグをする芸人はピン芸人のごく一部です。安村さんの快挙で、この流れが変わってくるかもしれません」