ほとんどが消滅した厚生年金基金。「従業員のために設立」されたという“大ウソ”

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さて、その厚生年金の上乗せとして手厚い給付を行っていたという厚生年金基金の仕組みとは一体どんなものだったのでしょうか。ちょっと振り返ってみましょう。

会社で厚生年金に加入する時は、厚生年金保険料18.3%(平成29年9月で上限)を支払います。

そして将来は老齢厚生年金100万円として給付を受けるとします。

しかし、厚生年金基金に加入してた人はどうか。

普通に厚生年金加入するより有利な年金が受けれますよね。

じゃあ18.3%よりも多く保険料を支払うのか?というと、そういうわけではないです。

18.3%まるまる国に納めていたものを、基金の保険料といって2.4%から5.0%の間で会社が任意で基金保険料を決めます。

2.4%~5.0%までを免除保険料といいます。

たとえば基金の免除保険料を5.0%とすると、すべて国に納めていた18.3%の保険料の中の5.0%を基金に回す。

だから国には13.3%支払って、残り5.0%は自分たちの基金で運用しようとするのです。

本来は18.3%すべてを国に納めて、将来は老齢厚生年金として受給するけど、18.3%の一部の5.0%を基金に渡してますよね。

つまり、老齢厚生年金として支給する年金の一部を、民間の会社の基金に渡してるわけです。

それは何を意味するのかといえば、本当は国が老齢厚生年金を全部給付するのが当然なんですが、一部の保険料を基金に与えてるから、将来はその報酬比例部分の一部(代行部分という)は基金から支給してあげてねって事です。

例えば本来は報酬比例の年金100万円はすべて国が老齢厚生年金として支払うのに、国が60万円で基金からは40万円払うような面倒な事をやってるような事ですね。

こうする事でどうなるかというと、本来は18.3%も国に支払わないといけないけど、国に支払う5.0%免除してもらって、その代わりにその5.0%はうちらの会社で退職金と自由に運用に回させていただきますよと。

年利5.5%の運用をするから普通に報酬比例部分を貰うよりも手厚い年金が貰えますよと。

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