丁度、平成10年頃から金融不況で不景気が更に加速したんですが、その時からもう基金で運用してる代行部分は国に返したいっていう基金が増えてきました(もう厚生年金基金辞めたいですって辞表出すようなものですね)。もう基金持っとくのは会社のお荷物だから返しますって。
これを代行返上といいます。
ほんと身勝手ですよね(笑)。
その後、長い不況が続きましたよね。
あまりにも運用が悪化していくと、「代行部分+基金が独自に上乗せで支給する年金」どころか、代行部分の財源すら消し飛んでしまってきたわけです^^;
たとえば、本来は国が100万円の老齢厚生年金支払うのを、基金に代行部分30万円やってしまうと、国が支払う分は70万円になります。
まあ、基金に30万円譲らなければ100万円は国が全部支払ってたわけです。
30万円譲ったから、国は70万円支払いになった。
ところが運用が悪くてマイナス続きだと、基金が30万円以上の年金を給付するどころか、10万円しか給付できないくらいの運用だったとしますよね。
基金に譲るより、国が全部支給したほうが断然良かったわけです。
基金が国が支払う代行部分の年金も確保できなくなってしまったのを「代行割れ」といいます。
平成24年にAIJ投資顧問会社社長が、本当は基金年金の財源など消し飛んでいたのに、大丈夫ですよ~とウソの報告書を提出していた事で逮捕されました。
それがキッカケで多くの基金が代行割れ(本来は国が払う分よりも下回る状態)してる事が判明して、平成26年4月1日以降は新規の基金設立はダメとなったわけです。
基金は事実上廃止となり、その退職金の原資はどこに行くかというと、他の退職金制度に移管したりしていったわけです。現代はまだ景気がいいわけじゃないから、会社としては将来約束した金額の退職金準備するのは大変だなあというところもありますよね。
厚生年金基金はもう解散したり、国にお返ししたりして事実上廃止してますが、基金加入期間分が企業年金連合会から支給されてる人は多くいます。支給されてるとすれば、年金と同じく偶数月の15日ではなく1日という場合が多いです。
基金から年金が支給されてる人は給付はどうなるのか1つ計算していきましょう―― (メルマガ『事例と仕組みから学ぶ公的年金講座』2023年8月2日号より一部抜粋、続きはご登録の上お楽しみください。初月無料です)
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