埼玉では病院周辺にクルド人100人の異常事態。難民受け入れで「ナイフ犯罪」激増のドイツは近未来の日本か?

Frankfurt,Am,Main,,Germany,-,July,25,2019:,German,Police
 

EU加盟国内で最も多くの難民を受け入れているドイツ。そんな人道国家の治安が今、急激に悪化している事実をご存知でしょうか。作家でドイツ在住の川口マーン惠美さんは今回、昨年だけでナイフを用いた犯罪が2万件も発生したというドイツ国内の深刻な治安事情を紹介するとともに、その原因を解説。さらに難民の受け入れ推進を叫ぶ一部の日本人を、「周回遅れ」とバッサリ切っています。

プロフィール:川口 マーン 惠美
作家。日本大学芸術学部音楽学科卒業。ドイツのシュトゥットガルト国立音楽大学大学院ピアノ科修了。ドイツ在住。1990年、『フセイン独裁下のイラクで暮らして』(草思社)を上梓、その鋭い批判精神が高く評価される。ベストセラーになった『住んでみたドイツ 8勝2敗で日本の勝ち』、『住んでみたヨーロッパ9勝1敗で日本の勝ち』(ともに講談社+α新書)をはじめ主な著書に『ドイツの脱原発がよくわかる本』(草思社)、『復興の日本人論』(グッドブックス)、『そして、ドイツは理想を見失った』(角川新書)、『メルケル 仮面の裏側』(PHP新書)など著書多数。新著に『無邪気な日本人よ、白昼夢から目覚めよ』 (ワック)がある。

ナイフ犯罪の急増と移民犯罪グループ

ドイツでは昨年、ナイフを使った犯罪が約2万件だった。毎日、ほぼ60件が起こっている計算だ。ドイツ鉄道の発表では、昨年、列車内、および駅構内で起こった傷害事件は255件。一方、東京では一昨年、小田急線内で刺傷事件が起こり、10人が負傷したとして大騒ぎになった。日本人は、日本がいかに平和な国であるかに、あまり気づいていない。

アラブやアフリカなど、世界の多くの男たちは、日本の男がポケットにハンカチを持っているように、皆、ナイフを持っている。危険に遭遇する可能性が比較的高く、しかも警察や政府を信用していないから、当然、「自分の身は自分で守る」となる。興味深いことに、それは米国も同じで、こちらはナイフではなくピストル。しかも、女も例外ではない。ただ、接近戦の武器としては、ナイフはピストルよりも効果的だ。

しかし問題は、ドイツでは刃渡り8cm以上のナイフの携行が違法であること。ドイツと日本の共通点は、警察に対する信頼が大きく、皆が武装しないで歩くが、巷の危険はだんだん増えている。すでにドイツの都会の一角には、ドイツの法律になど一切興味を示さない移民たちの世界が形成されており、治安を極端に悪化させている。だからこの頃は、ドイツの若者の間でも、ナイフの傾向がトレンドとなりつつあるという。

ノートライン=ヴェストファレン州は、かつては広大な炭鉱地域を擁し、ドイツ産業の心臓部だった。それが今では、主に中東出身の、血縁で結集したマフィアのような犯罪グループの巣窟となっている。たとえばエッセン市には、70年代にレバノンの内乱を逃れてきたレバノン系クルドの移民が7,300人も住んでおり、今ではその一部が、プロフェッショナルな犯罪グループのメンバーとして暗躍する。彼らが根城にしている地域は、警察も足を踏み入れたがらない完全な無法地帯となっている。

6月15日、そのノートライン=ヴェストファレン州のエッセン市から20kmほど離れたカストロプ=ラウクセルという町で、レバノン系クルド移民とシリア系移民、合計50人ほどが衝突し、2人が重傷を負うという事件があった。衝突の原因となったのは、11歳のレバノン系の子供が、喧嘩で軽い怪我を負ったことだったそうだが、それが一気にナイフを持った男たちの戦いに発展するというのが、私たちの想像を超えるところだ。

しかも翌日、その報復として、200人ものレバノン系クルドがエッセン市のシリア・レストランを襲撃し、700人の警官が出動する騒ぎとなった。その時、レストランにはシリア人ばかりではなく、ドイツ人、トルコ人、それどころかレバノン人もいたというから、いい迷惑だ。警察は前日の捜索で、ピストルなど武器を押収していたこともあり、これらの事件を殺人未遂も視野にいれて捜査を進めているという。

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