中国を笑えぬ日本。首都圏にも多数存在する「台風や洪水被害に脆弱すぎる土地」はどこか?

2023.08.22
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地球温暖化の影響で、年々大型化、強力化する台風。ここ数年日本も大きな被害に見舞われ続けていますが、自身や大切な人を守るため、私たちできることはあるのでしょうか。今回、安全保障や危機管理に詳しいアッズーリさんは、自然災害の備えについては日本はアジアでもトップクラスとしつつも、首都圏にあって台風や洪水被害に脆弱な「危険地域」の存在を指摘。その上で、災害から身を守るために住民が取るべき具体的行動を提示しています。

中国では地方住民が大都市の犠牲に?首都圏の台風や洪水でやるべきこと

また習政権に対する国民の反発が増殖しそうな感じだ。中国北部では7月末から8月はじめにかけて集中的な豪雨が各地を襲い、洪水になるなどして犠牲者が増えた。しかし、これは自然に起こったものではなく人災だとする反発が市民の間で拡がっている。7月に入って重慶市や浙江省、河北省、北京市などで大雨による被害が発生し、7月だけで死亡・行方不明者は142人となったが、習政権は北京や重慶など大都市を水害から守るため、氾濫や決壊の恐れがある河川から人口の少ない遊水地などへ放流を行い、それによって地方で洪水被害が異常に拡大したとの疑念が拡がり、地元住民たちは習政権への反発を強めているのだ。

特に、北京市中心部の南西約60キロに位置する河北省涿州(たくしゅう)市では被害が拡大し、水の水深が7メートルまで達し、習政権は北京さえ安全だったらどうでもいいのかと怒りの声が聞かれた。これまでの情報だと、被災した人は700万人を超え、家屋の倒壊は2,300棟に上り、経済損失は日本円で約3,100億円に上ったという。

中国は日本と比較して台風が到来する機会も少ないことから、日本より自然災害対策が脆弱であり、仮に毎年沖縄に来るような大型台風が中国各地を襲えば、ビルや住居の決壊が相次ぎ、犠牲者も日本の比ではないだろう。日本は大雨や台風、地震などを日常的に経験することから、自然災害への備えはアジアでもトップクラスだろう。

東京にも多数存在する危険地域

だが、首都圏を細かく見ると、台風や洪水などに脆弱な、危険な地域は所々にある。たとえば、東京でいえば江戸川区や葛飾区、もっといえば荒川に近い総武線の新小岩や小岩あたりは極めて心配されるエリアだ。このあたりはもともと家々が密集し、細い路地がたくさんあり、敷地の狭い家々が乱立している。火事など起きれば瞬く間に他の家々に広がりそうな感じだ。そんなところに台風や大雨が襲えば、近くにある荒川や隅田川の氾濫は抑えきれず、すぐさま水が街を飲み込むことになるだろう。江戸川区や葛飾区が出すハザードマップを見ても、このエリアはトップ級にリスクが高いとされている。

また、東京の西側にも危険地域がある。それは多摩川沿いのエリアだ。こちらの地域は高級住宅街も少なくない。特に近年叫ばれるのが武蔵小杉だ。武蔵小杉はタワーマンションが乱立し、近年はお金持ちが住む高級エリアと勘違い甚だしいイメージが先行しているが、このエリアは決して高級なエリアではなく、洪水となればすぐさま機能不全に陥る。

近年も台風が首都圏を襲い、多摩川が氾濫した際、大量の水が新丸子や武蔵小杉の川崎地域を襲い、それによってタワマンのエレベーターが動かなくなり、高層階の住民たちは下へ降りられなくなった。また、イメージがいい二子玉川も高島屋や周辺の居酒屋エリアも浸水し、多摩川沿いの脆弱性を露呈することになった。さらに高級住宅街の田園調布でも一部地域で浸水が発生し、地元住民たちは世田谷区の対策はどうなっているんだと怒りの声も上がった。

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