なぜ、遺族年金は男女で貰えるケースにここまで差が生まれたのか?

 

更に夫が妻死亡による遺族厚生年金を受給する場合は55歳以上でなければならないという制約もあり(実際の支給は前述した60歳から)、55歳未満の時に妻が死亡したりすると遺族厚生年金そのものが発生しませんでした。遺族給付が出るとすれば、国民年金から掛け捨て防止の死亡一時金が出る程度でした。

なお、55歳以上の時に妻が死亡した場合に、夫が60歳になったら支給開始ですよという制約は、一般的にはまだ男性は働いてる最中であり、60歳の定年までは働くからそこまでは遺族厚生年金を停止しとこうという考えからです。

また、男性は40代前後なんていうのは大抵は働いてるものだから、妻が死亡しても遺族厚生年金は必要ないと考えられたから55歳未満は年金受給権を発生させないのでしょう。

女性の場合はどうしても男女格差が解消されてなくて、給与が低くなりがちである事、非正規雇用の割合が高い事(妊娠出産子育てからまた再就職しようとしてもなかなか厳しい)、中年になってしまうと再就職が非常に厳しくなる事などの面があるので妻に関してはそういう制限は付けていないと考えられます。

このように男性が遺族年金を受給するのは厳しいものですが、平成26年4月1日からは国民年金からの遺族基礎年金が男性にも受給可能となる改正が行われました。

遺族基礎年金は元々は「子のある妻」もしくは「子」のみが貰う権利が発生しましたが、平成26年4月1日からは「子のある妻」→「子のある配偶者」となりました。

これにより男親にも遺族基礎年金が支給されるようになったのです。子がいないと貰えない年金なので、子育て支援の意味合いが強い年金でもあるからですね。

なお、前述したように遺族厚生年金の場合は妻死亡時に夫が55歳以上でなければならないという年齢制限がありますが、こちらの遺族基礎年金を夫が受給する時は夫には55歳という年齢制限はありません。

よって、その平成26年改正からは死別して、子を持つ夫であればどんなに夫が若くても遺族基礎年金を受給してる事がちらほら見られるようになりました。

とはいえ、夫が遺族年金を受給する際は妻の場合とは結構違うので、夫特有のケースを2つ見ていきましょう。

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