大阪万博「税金おかわり837億円」に全国民が激怒。新たに浮上「45秒に1本シャトルバス」運行の脳内花畑…自民と維新は「万博中止」が何よりの支持率対策という皮肉

2023.11.28
by kousei_saho
ni20231005
 

中止にしない理由を見つけるほうが困難ではないだろうか。2025年に開催予定の大阪・関西万博に関連して、新たに837億円もの税金が追加で投入されることが明らかになった。自見英子万博相が27日の参院予算委員会で明らかにしたところによると、2,350億円の会場整備費とは別に、パビリオン「日本館」の建設費用に360億円、途上国の出展支援に240億円、安全確保に199億円、機運醸成に38億円と、合わせて新たに837億円の国費負担が生じるというのだ。万博を巡る費用といえば、10月下旬にも当初発表の倍近い2,350億円への上振れが報告され大きな批判が上がったばかりだというのに、またも「税金おかわり」とはいったいどういうことか。さらに、「45秒に1本シャトルバス」「小学生がチャリで会場襲撃」等々、この万博にはまだまだ多くの問題が指摘されているのも事実だ。果たして開催を強行しても「犠牲」は出ないのだろうか。

立憲民主党の議員とバトルを繰り広げた岸田首相

自見万博相が「税金おかわり」837億円の内訳を明らかにした27日の参院予算委員会。その席上で、立憲民主党の辻元清美議員と岸田首相が激しいバトルを繰り広げた。以下、テレビ朝日『グッド!モーニング』で紹介された内容を見てみよう。


辻元 「日本館(日本パビリオン)が会場建設費の2,350億円に含まれていると思っていた。(会場建設費とは)別に日本館にお金がいるんですね」

 

岸田 「日本館については、国として管理する立場にあります。これは(建設費用が)別だということであります」

辻元 「2,350億円以外にもうかからないような発言をしていた。これ何か国民にごまかす、実態をごまかすために(会場建設費)部分しか言わなかった?」

 

岸田 「会場建設費について議論を行った際に、『これ以上の増額は認めるつもりはない』ということを申し上げました。それ以外の国費分については引き続き、合理化努力を続けなければならないと認識しています」

 

辻元 「もっと簡素化するべきじゃないですか?」

 

岸田 「合理化努力はこれからも続けてまいります」

何をか言わんや、である。

なぜ今になって「追加料金」が上乗せされるのか

多くの国民にとって解せないのは、今になって発展途上国の支援に240億円、安全確保に199億円、機運醸成に38億円などという「追加料金」が乗せられてくることではないだろうか。これではまるで、「税金ぼったくりバー」「後出しジャンケン」状態である。

憶測の域は出ないが、こうして上乗せされた費用はおそらく、維新や自民を支持する関連企業や業界団体に分配され、来る選挙での票集めに利用される可能性も十分に考えられる。彼らはいつまで「昭和の選挙」を続けるつもりなのだろうか。言わずもがなだが、このバラマキの原資は「税金」である。

そんな中、松野官房長官も28日に837億円の国費負担発生について、「さらに透明性を持って分かりやすく国民に説明していきたいと考えている。国費負担については引き続き合理化努力を続けていく」などと心にもない、官僚による作文を棒読み。彼の頭の中もまた来年に「予定」されている選挙のことでいっぱいといったところか。

非現実的なシャトルバス運行計画と子供チャリ問題

大阪万博といえば現在、総工費350億円の木造リング建設の是非が問われる事態となっているが、問題は枚挙にいとまがない。その1つが「シャトルバス」だ。27日の参院予算委員会で、会場に観客を運ぶシャトルバスの運行を、ピーク時には45秒に1台のペースで想定していることが判明したのだ。


辻元 「万博会場は自家用車で乗り入れできない。足はどうなのるか?」

 

自見大臣 「シャトルバスで、ピーク時は舞洲から45秒に1本」

 

辻元 「非現実的」

残念ながら渋滞や利用者の乗り降りを勘案したプランとは言い難く、「机上の空論ダイヤ」と見て差し支えないだろう。大臣答弁原稿を用意した官僚は、各方面から突っ込まれることを想定しなかったのだろうか。

さらに浮上したのが、大阪市が用意する「夏パス」の影響だ。大阪市は27日、市内に住む4歳から17歳までの子供たちを対象に、夏休み期間中であれば万博に何度でも入場可能な「夏パス」を配布すると発表。利用期間は2025年7月19日から8月31日までのほぼ1ヵ月半で、予算規模は13億円に上るという。

これにネット民が敏感に反応。「子供は元気で体力もあるし、でも電車代は子供にとって大金だから、多くは自転車で来ると思う」と、小中学生たちが自転車で大阪万博へ大挙して押し寄せる可能性を指摘する声も上がっている。万博会場には600台分の駐輪場しか用意されていないと見られており、自転車の路上駐車や盗難も大問題となりそうだ。

「税金おかわり」の後出しジャンケン、45秒に1台シャトルバス、夏パスで小学生がチャリで大挙押し寄せ問題等々、悪い意味で話題に事欠かない大阪万博。建設業界からは、既にパビリオンの建設はデッドラインを過ぎているという声も上がっている。今こそ「中止だ、中止!」と声をあげる政治家が出てくれば、多くの国民に支持されるのではないだろうか。

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