泉房穂元明石市長を「前面」に出す“思い切り”が必要だ。政権を取りたい野党が今すべきこと

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日本維新の会が党の実績としてアピールし続けてきた、大阪万博の誘致。しかし蓋を開けてみれば予算の上振れや工事の遅れなど、問題が山積しているのが現状です。そんな万博を「維新の会の象徴」とするのは、現役の精神科医で作家の和田秀樹さん。和田さんは自身のメルマガ『和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」』で今回、そのように判断する理由を記すとともに、関西の政治家の中で評価できるのは元明石市長の泉房穂氏だとして、立憲民主党に対して泉氏を前面に出し戦うことを強く勧めています。

土建屋知事の読み通りの大阪万博

さて、大阪万博に批判が高まっている。

私は万博世代の人間で、前の万博に感動したことはいまでも記憶に残っている。

ただ、海外のパビリオンより、国内のパビリオンで近未来を予想させるような数々の展示や、そこでできる体験のほうが嬉しかった。

ふたを開けてみないとわからないが、今の日本企業がこれはすごいと思わせるようなものを展示できるのだろうか?

空飛ぶ車に乗れるというが、それほどすごいと思えないし、一日数十人しか乗れないという話も伝わっているので、楽しめる確率は限りなく低い。それ以上に、これだって日本はともかく、海外でならあっという間に実現しそうだ。

さて、この万博は大阪維新の会の発案で、彼らのまさに威信をかけてのもののようだ。

この万博誘致委員会の会長代行が、当時の大阪維新の会の代表で、大阪府知事だった松井一郎氏である。

彼の親は府議会の有力者であると同時に、大通という電気工事会社を興した人物だが、その後をついで電気工事会社の社長になったのが、松井一郎氏ということだ。そして、この電気工事会社は、住之江競艇場の電気工事を大々的に請け負う会社だったようだが、要するに公共事業をやる会社のボンボンということだ。

大阪という商人の町というのが、私のイメージだった。

「頭下げるのはタダ」という感じで、腰は低く、金になるのなら外国人にでも頭を下げるというような土地柄だった。

それがいつの間にか、右翼の町になり、いちばん、中国人や韓国人をぼろくそにいい、そういう番組が大阪ローカルなど(東京以外ローカルの番組もあるが)で流れ、逆に頭を下げてもらえないからインバウンドの恩恵もあまりない町になった。

確かに、大阪の番組のムードに乗ったところもあるが、維新のトップの人たちは、弁護士とか、この手の公共工事の会社のボンボンなので、頭を下げることはない。

そして、公務員の給料を減らし、人も減らして行政サービスのレベルを下げながら、大阪市民や府民は、それをみて面白がっているので票になるようだ。

文化予算も大幅に減らして、ケチケチを自認している。

ところが公共事業にだけは大盤振る舞いを続け、その象徴がこの万博と言える。

そして、公共事業の親分の松井とかいう知事の思惑通り、どんどん予算が膨れ上がっている。

大阪の人間はどこまで維新にむしり取られたら、愛想をつかすのだろうか?

このまま半永久的に大阪が落ち目になるのではと心配でならない。

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