今の教師に足りないもの、それができるようになればクラスががらっと変わるもの…って何だと思いますか? メルマガ『「二十代で身につけたい!」教育観と仕事術』の著者で現役小学校教師の松尾英明さんは今回、山口県の中村健一先生の研修を受けた際に感じた、教師に足りないものについて語っています。
ネタを使うにもフォローが命
山口県の中村健一先生が千葉県を来訪しての研修というチャンスがあった。そこの一日講座を受けた。
授業のネタ、怒涛の数十連発である。ここについてはご本人の著書を見ればわかるので割愛する。
本質は、そこではない。一つ一つの、ネタの裏にあるねらいの方である。
一つのネタを使うにも、片々の技術が散りばめられている。
特に強調されていたのが「上條理論」(東北福祉大学教育学部 教授 上條晴夫氏による)の
1 フリ
2 オチ
3 フォロー
の流れである。
教師は特に「3 フォロー」が足りないという。全く同感である。
どういうことか。
ここは自分の解釈だが、授業の場合に当てはめると
1 フリ(=指示あるいは発問)
2 オチ(=活動や回答)
3 フォロー(=評価)
である。
つまり「3 フォロー」がないというのは「やらせっぱなし」ということである。
叱るという、一見お笑いとは真逆の行為の場合にも当てはまる。
1 フリ(叱る)
2 オチ(改善行為)
3 フォロー(励まし)
である。
1と2があるのに、3がないのは、最悪である。それほどまでに「3 フォロー」は大切であり、かつ忘れられがちである。
そしてこれは中村健一先生も物真似をしてしまうほど尊敬してやまない、野口芳宏先生から私が教わった御言葉だが「濃淡軽重」というものがある。
その意味するところを簡単に言うと「あれこれやらずに、大事なことのみ濃く伝えよ」ということである。
まだまだ学びとして紹介したいことがあるが、濃淡をつけて、この一点のみをお伝えするに留まる。
「3 フォロー」を忘れないこと。これだけで、学級が全く変わって来ること請け合いである。
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