農地から組織へ。日本人はマネジメントの知識や能力が“足りない”と言われる理由

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第二次世界大戦が終わった後も企業というものが珍しかった日本。そこからの急成長で、多くの人たちが企業で働くことになりましたよね。そこでわいてくる疑問をドラッカー学会共同代表理事の佐藤等氏が今回のメルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』の記事の中では投げかけています。

仕事と人生に生かすドラッカーの教え

ドラッカー学会共同代表理事の佐藤等氏がビジネスに役立つドラッカーの言葉を毎月、分かりやすい解説を交えながら紐解く「仕事と人生に生かすドラッカーの教え」。

月刊『致知』で5年にわたって続いている人気連載のひとつで、単行本化もされています。(『ドラッカーに学ぶ人間学』)

最新号から一部をご紹介いたします。

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私たちは、組織についてこれまで学ぶ機会があったでしょうか。

160年前の日本は江戸時代、人口の80%以上を農民が占めていました。

親から子へと代々耕作に関する知識や能力は受け継がれ、社会を支えていました。

「あの頃、企業は、たとえ注意を払われたとしても、新奇で例外的な存在だった」(『企業とは何か』)

とドラッカーが書いたように、第二次世界大戦が終わった頃も、企業そのものが珍しく、人々はまだその実態をよく知りませんでした。

その後、20年を経ずして日本の人口の過半数が組織で働くようになり、組織社会と呼ばれる社会で生きるようになったのです。

主要な生産の場は、農地から組織という場に移っていったのです。

ドラッカーは、新しい生産の場に必要な「体系的な情報」を提供するため『現代の経営』(1954)を世に送り出しました。その情報がマネジメントです。

耕作に関わる知識や能力を身につけることなく農業社会は成立しませんでした。

果たして私たちは、マネジメントという知識や能力を身につけているのでしょうか。

家庭や学校で組織について教える機会はありませんでした。しかし、社会に出て組織に属しても、組織について学ぶ機会はほとんどありませんでした。

その結果、マネジメントは組織の経営層が行うものであるという誤解が蔓延しています。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 致知出版社 【発行周期】 日刊

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