弁護士費用の相場ってどれくらい? 現役弁護士に計算方法を聞いてみた

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私たち一般の人間にあまり馴染みのないのが弁護士費用。そもそも相場というものはあるのでしょうか。無料メルマガ『知らなきゃ損する面白法律講座』では、読者から寄せられた「かかった弁護士費用が妥当かどうか知りたい」という質問に答える形でその計算方法などを紹介。もしもの時のために知っておいたほうがいいかもしれません。

弁護士費用の相場は? 計算方法はある?

相談

弁護士費用についてお伺いします。相続が2年前に発生しました。相続人は私と兄の2人ですが、話し合いが進まないため、弁護士に依頼しました。1年少し経ちますがようやく目処が付きそうです。

依頼当初より弁護費用の目処を聞いていましたが答えてもらえず、ようやく大体の提示が有りました。私の相続額の1割を超える額を言われたのですが、正当なものなのかわかりません。

相場ってあるのでしょうか? 遺産総額は9600万で私は半分を受け取る予定です。調停で解決し、裁判手続には移行していません。 (50代:男性)

回答

現在、弁護士の報酬は実質的に自由化されているといえます(弁護士法33条「弁護士の報酬に関する標準を示す規定」の廃止に伴うもの)。したがって、弁護士と依頼者(ご相談者)様の合意のもとで弁護士費用が定まります。

もっとも、単純に自由化されただけでは、一般市民には費用の適否、相場の感覚もわかりません。そこで、日本弁護士連合会では、「弁護士の報酬に関する規程」という準則を設けています(これは法律ではなく、弁護士会の内規です)。

その中では、弁護士の報酬は依頼者が得る「経済的利益」や「事案の難易」「時間及び労力」などに照らして「適正かつ妥当なもの」でなければならない(2条)とされ、報酬の基準を作成して事務所に備えなければならず(3条)、報酬の見積書を作成するように努めなければならないとされています(4条)。加えて、弁護士が受任する際は、報酬に関する事項を含む委任契約書を作成しなければならない(5条)とされています。

このように、

  1. 委任をする時に報酬についての取り決めを行う
  2. 説明を尽くす
  3. 場合によっては、見積もりを提出する

ということを行います。ご相談内容では、依頼された弁護士の方は、そもそもこうした対応を怠っていたのではないかと考えられます。

>>次ページ 相続額の1割を超える報酬は正当なのか?

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