元「旅行読売」編集長が断言。「温泉は怒りを鎮める」の科学的根拠

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あなたは我慢できないくらい腹が立った時、何をして怒りを鎮めますか? 趣味に没頭する、眠る、お酒を飲む…など、人それぞれの方法があると思いますが、元「旅行読売」編集長の飯塚玲児さんが、断然お勧めするのは「温泉に入ること」。温泉に関する知識を毎回教えてくれるメルマガ『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』の中で、「なぜ、温泉に入ると怒りが収まるのか?」を科学的根拠を交えつつ解説しています。

温泉に浸かって怒り続けられるか?

今週は表題の件に付いて書いてみたい。

僕がもう10年くらい前から人前で話すときに主張してきているのが、「人は温泉に入ると、怒ったままではいられない。 必ず怒りが収まってきて、いつの間にか心が落ち着いている」という事である。

こういう経験をした事がある人は決して少なくないはずである。

この場合は、40度以下のぬる湯のほうがいいようだ。 副交感神経が優位になってリラックスし、筋肉は緩み、よって、しかめ面をしている顔面の緊張もほぐれてくるというわけだ。

顔の筋肉が緩めば自然に笑顔になる。

天井からピチョン、と落ちる雫の音、こぽこぽと足元から湧く湯の音、ドバドバと流れ落ちる源泉湯口の音などを聞いていると、温泉好きならきっと顔もほころんでくる。 温泉好きでなくとも、よほどでない限り、同じような心理変化、体の変化が起きると思う。

温泉に浸かったときに、「ふぅー」と思わず声が漏れるのは、きちんと医学的作用がわかっていて、これは水圧(静水圧)によるものである。

湯に浸かると水圧がかかる事はこれまでにも解説したが、この水圧がけっこうすごい。 肩までとっぷりと湯船に湯かった状態だと、空気中よりもウエストが数センチ縮んでいるほどである。 この水圧が肺にかかって、思わず「ふぅー」と息が抜けるのだ。

この息が抜けるというのは怒りの沈静化にも効果があると思う。

だいたい、怒っている時は、呼吸が荒くて息を吸ってばかりいる事が多い。 面倒なケチを付けられて、反論しようと大きく息を吸うものの、反論の機会を失って、声にならずに、ため息というより、絞り出すように息を吐いているだけ。鼻息は荒くなって、肩は怒り、でも、いいたい事を我慢してぐっと息をのむ。

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