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プロ野球・鳥谷選手スポンサーも架空取引に関与?NEXCO西日本への蓄電池納入騙る会社破産の裏=山岡俊介

西日本高速道路(NEXCO西日本)と資本・業務提携をしているとの信用を売りに取引を持ちかけ、一時は年間売上高が250億円を超えていた「D-LIGHT」なる企業が破産申し立てしたことは既報の通り。そのD社とダイレクトに循環取引をすると共に、新たな取引相手開拓を主導していたと見られる会社がある。代表者はプロ野球・鳥谷選手のスポンサーとしても知られる人物だ。(『アクセスジャーナル・メルマガ版』山岡俊介)

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※本記事は有料メルマガ『アクセスジャーナル・メルマガ版』2021年9月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:山岡俊介(やまおか しゅんすけ)
1959年生まれ、愛媛県出身。神奈川大学法学部卒。零細編集プロダクションに2年半在籍し、29歳で独立。91年『週刊大衆』の専属記者を務めながら『噂の真相』『財界展望』などを中心に記事執筆。主な著書に『誰も書かなかったアムウェイ』『アムウェイ商法を告発する』(以上、あっぷる出版社)、『銀バエ実録武富士盗聴事件』(創出版)、『福島第一原発潜入記 高濃度汚染現場と作業員の真実』(双葉社)など。

「NEXCO西日本」の威を借りて循環取引

本紙では8月26日、西日本地域の高速道路などを管理し、年間1兆円以上の売上を誇る特殊会社(株主は財務大臣が100%)の「西日本高速道路」(=NEXCO西日本)と資本・業務提携をしているとの信用を売りに取引を持ちかけ、一時は年間売上高が250億円を超えていた「D-LIGHT」(東京都中央区)なる企業が破産申し立てしたことを報じている。

このD社、実際には8年も前に、NEXCO西日本との資本・業務提携を解消されていたにも拘わらず、その後もそのように騙り、取引を持ちかけ、循環取引(架空取引)で資金を回していた。

そのD社とダイレクトに循環取引をすると共に、新たな取引相手開拓を主導していたと見られるのが「はかた舎」(福岡市中央区)の山口猛史代表。そして、このはかた舎はD社の自己破産申請を受け、大手の企業信用調査会社によれば、グループ会社の「はかた屋」(同)と共に自己破産申請するという。

はかた舎は、D社からのNEXCO西日本へ納入するリチウム蓄電池の売上が大きく寄与し、21年5月期は123億円もの売上高があったという。その他、福岡市内で飲食店の経営もしていた。

関係者が証言する。

「D-LIGHTがNEXCO西日本から発注されているリチウム電池の数は月4~5,000台(単価116万円)。年間にすれば700億円もの取引で資金が足りないということで、その内の1,200台をはかた舎に割当てて来たと。

それは、別のD社に書類上発注するだけのことで、それだけで1台7万6,000円、月にして×1,200台=8,640万円の利益が得られるという美味しい話だと山口社長は言っていた。だけど、はかた舎にしても、その売上高全額をD社との間で動かすには資金が足りない(月12億円以上)ということで、さらにその循環取引をいろんなところに持ちかけていたんです」

もっとも、実際は繰り返すが、NEXCO西日本からの発注は8年も前に切られていた。にも拘わらず、それを伏して儲かると循環取引を持ちかけていたものだから、近年はさすがにこの取引は怪しいと信用不安が出ていたが、にも拘わらず山口社長は自己破産必至の今年に入っても持ちかけていた。

実際、話を持ちかけられた地元福岡の社長が証言する。

「確かにNEXCO西日本との取引だと。山口社長自身から、はかた舎の事務所で説明を受けた。それを信じて数千万円投資したらすぐ自己破産との情報。問い合わせたら、山口社長は“自分もD-LIGHTの言い分を信じて今もNEXCO西日本と取引があると思っていた。自分も被害者だ”と。ですが、はかた舎の役員には、D-LIGHT代表の鬼倉達矢が就いている。自分も被害者なんて、信じられるはずないでしょう。

そうそう、信用付けのためでしょう。山口社長は、自分はプロ野球選手のタニマチでもあり、美味しい話だからこそ、ソフトバンクの選手にもこの取引をしてもらっているんだと言っていました」

浮かび上がるプロ野球選手との関係。鳥谷選手のスポンサーとしても有名

実際、山口社長は複数のプロ野球選手とつきあいがあった。

本紙が調べたところ、複数の選手と一緒に食事をしているところの写真などから、以下の選手がつきあいがあったことが判明した。

まず、鳥谷敬選手(40。千葉ロッテ。内野手)。鳥谷選手といえば、19年まで16年間、阪神タイガースでプレーし、史上50人目の公式戦2,000本安打を達成した大物かつ有名人。そして、山口社長に阪神時代に呼ばれ、山口社長の愛人経営のクラブで飲食。そこでトラブルがあったことは本紙既報の通り。

もっとも、山口社長の言によれば、循環取引に関与しているのはあくまでソフトバンク選手ということだ。

そしてソフトバンクホークスのウラディミール・バレンティン選手(オランダ。37。外野手)。これまた、ヤクルト時代に3年連続本塁打王に輝いたこともある大物だ。

その他に、同じくソフトバンクのアルフレド・デスパイネ(キューバ。35。外野手)、リバン・モイネロ(キューバ。25。投手)両選手。松田宣浩選手(38。内野手)も。

以上はセ・パ両リーグの現役で、ソフトバンクのOBもいる。

吉村裕基(37。現在は火の国サラマンダーズの選手兼コーチ)。寺原隼人(37。現在は琉球ブルーオーシャンズの投手コーチ)。細山田武史(35。現在はトヨタ自動車硬式野球部のコーチ兼捕手)の各氏。

このなかで、本紙が現状、循環取引に関与していることを確認できているのはOBの一人だけ。

Next: ソフトバンク選手が関与?循環取引の根は深い

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